揺るぎない信念と覚悟を胸に、日米で活躍した名投手・黒田博樹。通算200勝、NPB・MLBを通じて40球団から勝利をあげるなど数々の輝かしい記録を持ち、現在も球団アドバイザーとしてカープを支えている。

 2001年、リーグ最多完投を記録するなど力投を続け、“ミスター完投”と呼ばれるようになった黒田。シーズン途中の独占インタビューでは、“完投”への強い思いを口にしていた。

(『広島アスリートマガジン』2001年8月号掲載記事を再編集)

このインタビューの2年後、2003年に、黒田は自身初の開幕投手を務めることになる(写真は2003年撮影)

◆最後まで投げ抜いて勝てるのは、本当に最高

— 今季(2001年)の初勝利は遅かったのですが、それは精神的に焦りみたいなものはありましたか?

黒田 確かに焦りはありましたけど……うーん、そうですね、早く一勝しないことには始まらないんで、早く一勝したいというのはありましたけど。まあでも、それで焦って逆にね、ピッチングがおかしくなってしまってはいけないんでね、投げる試合はそんなに気にせず、いつか勝てるやろ、ぐらいの気持ちでやってました。粘り強く自分を忘れずにという感じでね。

— 打線が打てない時など、守りで負けた時期が続いたので、「周りが何とかしてあげろよ」という意識は本人の中でもあったのですか?

黒田 いや、あんまりそういうのは気にしなかったですけどね。エラーというのは結局は球が飛んだら何か起こりますからね、そういうのは付きものだと思うんで。だから、エラーした時どれだけ、特に新井(貴浩)とかがエラーした時に抑えたろっていう気持ちになるかですね。やっぱり、いつも守ってもらってるんで、たまにはエラーもあるんで。そういうエラーをした時にしっかり抑えていって周りから信頼されるピッチャーになりたいな、とは思いますけど。

— 本人はもちろん気にしているわけですよね。

黒田 気にしなくていいところまで気にしてて、あいつは。あいつは結構気にしてて当分言ってたんじゃないですかね、会う度に。

— 『完投』への意識はありますか?

黒田 やっぱり、そうですね。一人で投げるということにすごい充実感もありますし。やっぱり試合が始まってマウンドに立ったら、最後まで降りたくないというのはあるんで。先発ピッチャーなら皆そう思うと思うんで。だから一人で投げ抜いて勝てるというのは、本当に最高ですね。

— 9回になっても140キロ後半の球を投げていて、本当にすごいと感じます。

黒田 一番しんどいのは5回、6回ぐらいですね。それを乗り越えれば、後は7回、8回、9回は気持ちで投げるというか、どんどん向かって行こうというので、逆にいい感じになったりしますけどね。後は残っている力を振り絞ってという感じですね。

— シーズンが終わるまで、きっちりと先発ローテーションを守るということが第一なんでしょうか?

黒田 そうですね、それが目標ですけど、まあ二桁もしたいですけど、勝ち負けはね、なかなか難しいと思うんで、まずは1年間を通して投げていけば、チームからも信頼されるようになると思います。

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