名古屋戦で復帰し、神戸戦でも存在感を発揮したドウグラス。点取り屋としての活躍に期待。

 10月5日の神戸戦(○6ー2)はクラブ史上最多の得点を奪い快勝しました。スタジアムに詰め掛けたサポーターの数は今季最多の2万9666人。サンフレッチェらしいテンポよくボールをつなぐサッカー、そして素晴らしい試合をライトなサポーターにも見せることができたのは非常に良かったと思います。前節の名古屋戦(△1ー1)では惜しくも白星を取りこぼしてしまった印象が強かっただけに、神戸戦で攻撃の迫力不足という課題をしっかりと解消して勝利をつかむことができたのも評価したい点です。

 1トップを務めたドウグラスの戦線復帰がチームにもたらしたものは大きいでしょう。ドウグラスのところでしっかりとボールが収まることでシャドーを務めた森島、川辺が非常に輝きを見せました。6得点という派手なスコアに目を奪われがちですが、チャンスを何度もつくれていたことを評価したいですし、バイタルエリアに侵入後パスを出す選択肢が複数あったという点にも注目しておきたいところです。それだけ攻撃と守備のメリハリをつけていたということですし、実際に柏がボールを持つと、その後ろの佐々木が上がる、いわゆる『ボールを追い越す動き』が随所に見られました。

 またこの試合で際立っていたのが青山の存在です。前号では試合中盤から出場し試合の雰囲気を変える、ジョーカーとしての青山の活躍に注目してほしいと述べました。その後コンディションも万全になり、スタメンの座を奪い返した青山ですが、ズバリ安定した働きでチームの攻撃にバリエーションを生み出す存在として一役買っています。サイドチェンジ、そして勝負所のスルーパスなど随所での判断はピカイチです。




(広島アスリートマガジン2019年11月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 吉田安孝(よしだ やすたか)
1966年11月22日生。広島県出身。元サンフレッチェDF。現在は広島テレビ「進め! スポーツ元気丸」などのサッカーコメンテーターとして活躍中。