現在、J1リーグで2位につけるサンフレッチェ広島。新スタジアム元年となった今季、開幕から2勝2分と好調な戦いぶりを展開している。

 ここでは広島OBの吉田安孝氏が、今注目の選手をピックアップして選手の魅力をお届けする。今回取り上げるのは、広島の守護神・大迫敬介。2019年のデビュー以来、着実にキャリアを積み上げてきた大迫のチームへの高い貢献度を語る。

2023シーズンはリーグ34試合に先発出場し、広島の守護神として活躍した大迫敬介。

大迫のビッグセーブには、数字が持つ以上の価値がある

「あの場面で失点していたら、試合はどうなっていたか分からない」。

 どの競技でもそうであるように、サッカーにもそんな一面があります。そういう意味でも、ゴールを守るGKの役割は非常に重要です。GKの一本のセーブが、一つのゴールよりも大きな価値を持つこともあるのです。

 大迫敬介のプレーを見ていると、GKのセーブはハットトリックと同じくらいの活躍だと感じることがあります。2024シーズン開幕戦で見せた、前半5分のビッグセーブ。あのプレーがなければ、浦和戦での勝利はなかったかも知れません。

 大迫はオフに右手の手術を受けていますから、その点を心配していたファン・サポーターの多かったのではないでしょうか。しかし、彼はしっかりと開幕戦に合わせてコンディションを上げてきてくれました。代表活動への思いもあったはずですが、リーグ戦にしっかり照準を合わせてくれたところも、素晴らしいと思います。

 どの試合も大切な試合ですが、2024シーズンの開幕戦、多くのファン・サポーターが見守る雰囲気の中で試合を落としていたら、後々に響いてしまったでしょう。そういう意味でも、スキッベ監督が試合後に話していたように「敬介のセーブで今シーズンが始まった」といっても過言ではないでしょう。

 もちろん、GKが安定感を発揮するには、DFラインが安定していることも大切です。その点では、佐々木翔・塩谷司・荒木隼人の3バックは今シーズンも抜群の安定感を見せてくれるでしょう。そして、3バックだけでなく、前線の選手たちも『For The Team』の精神を持って、献身的にプレーしています。そうした部分も、スキッベ監督3年目のシーズンを迎えてより浸透してきたのではないでしょうか。