2022年のプロデビュー以来、その鮮やかなプレーで多くのファン・サポーターの心をつかんできた満田誠。2024シーズンは開幕からボランチで起用され、中盤の要としてさらなる進化を続けている。「いまでも難しい」と語る、新たなポジション。今回は、満田が語るボランチへの思いをお届けする。(全4回/2回目)

ボランチ、シャドーと複数ポジションでプレーし、そのどこでも結果を残すことができるのも強みだ。

◆思考しながら、自分なりのボランチ像を探っていく

ー今シーズン、ボランチでコンビを組む川村拓夢選手とはどんなことを話しているのですか。

「積極的にミドルシュートを打とうと話しています。こぼれ球のチャンスもあるので。また攻撃でも守備でも、どちらかが前に行ったら、どちらかが下がることは、練習や試合中に常にコミュニケーションを取り、お互いを見ながらプレーしています」

ー川村選手は鳥栖戦(3月9日・〇4ー0)でゴール前まで攻め上がって得点を決めました。満田選手も同じようなプレーが必要だと感じていますか。

「パスを受けるために下がると相手のゴールから遠くなるので、難しい面もありますが、攻撃を組み立てながらゴール前に入っていくことができれば、もっと怖い選手になれると思います。自分の課題です」

ーポジションが違うことによる感覚や視野の違いは、かなり大きいのでしょうか。

「シャドーとボランチでは相手が来るタイミングや場所、視野、見ておかなければいけないところが違います。ボランチの感覚に慣れてきたので、久しぶりにシャドーでプレーしたG大阪戦は、慣れるまでに少し難しさを感じていました」

ーシュートから逆算すると、ボランチはシャドーよりも一つ、二つ前のプレーが求められます。戸惑いはありませんでしたか?

「いまでも難しいです。練習や試合でボランチの選手を見ながら、こうやるのかと自分なりに考えながらプレーしています」

ー参考にしているボランチは?

「青山(敏弘)選手、野津田(岳人)選手、川村選手、松本(泰志)選手など、特徴が違うので、それぞれ参考にしています。野津田選手はボールへの関わり方がうまく、顔を出す場所とタイミングが良く、攻撃でも守備でも、常にいてほしいところにいてくれるんです。以前から素晴らしい選手だと思っていましたが、ボランチをやってみて、あらためてすごさを感じています」

ー一方で満田選手は昨季から、佐藤寿人さんがつけていた背番号11を受け継いでいます。チームの勝利が最も大切であることは前提として、ボランチでのプレーと得点へのこだわりで、葛藤はありますか。

「葛藤がないと言えば嘘になるのですが、それを態度に出したりするのはダメです。間違いなくチームのプラスにはならない。自分の欲は消してプレーしています」