一軍キャンプを完走しオープン戦でも打率4割超と結果を残していたカープのドラフト2位ルーキー宇草孔基が、ウエスタン・リーグで躍動している。7月14日の時点で全14試合に出場し、打率はリーグ5位の.309をマーク。打席数や守備機会を増やす意味合いも強い二軍スタートだっただけに、この数字も驚くべきものではないのかもしれない。ここでは成長著しい大卒ルーキーがシーズン前に語ってくれたプロ入りまでのエピソードと、プロの印象を改めて振り返っていく。
(『広島アスリートマガジン』2020年3月号掲載)

豪快な本塁打も放つなど、宇草選手が春先から打撃で猛アピールを続けている。

─ 年始早々に大野寮に入寮されましたが、どんな気持ちでその日を迎えられましたか?
 「僕の生活圏はずっと関東だったので、関東から離れて生活すること自体新鮮です。野球をやっているやっていないに関わらず、大学を出て新しい土地で生活をスタートをさせる人もいるわけですし、僕も心機一転新たなスタートという気持ちになりました」

─ 生活面だけではなく自主トレ、キャンプと練習環境もガラリと変わりましたが、いかがですか?
 「大学時代から練習とはしっかり向かい合っていたので、練習に対する意気込みはプロになっても変わりません。ただ、変わらないとは言いつつもプロ野球選手になったということで、これまで以上に『野球をやりたい』という気持ちが強くなりました。自分は野球に関して言えば元気よく張り切ってやるタイプですが、張り切りすぎてケガをするのが一番ダメなことだと思うので、そこはうまくコントロールしながらバランスを取ってやるよう注意しています」

─ 連日、練習していく中で新人だけで練習しているときと何か違いを感じることもありましたか?
 「プロでやっている選手はやっぱり体が違いますね。大きさもそうですし分厚いというか。『これがプロ野球選手の体か』と身を以て感じました。身長自体は自分もあると思うんですけど、厚みだったり体格の面ではまだまだだなと思いました。これまでも意識して体づくりはやってきたつもりでしたが、もっとやらなければいけないと今は痛感しています。まだプロ野球選手になってから日は浅いですけど良い刺激しかないですね」