創設10年目にして悲願の初優勝を果たした広島ドラゴンフライズ。今季、大きく躍進したチームを支えるのは、大学4年の12月にプロ契約を交わし、2022-23シーズン途中にデビューを果たした中村拓人だ。主力のケガをきっかけに出場機会を増やし、試合を重ねるごとに成長してチームやファンの信頼を得た中村。若き司令塔の足跡と、これからを聞いた。(全3回/3回目)
◆思いがけなく訪れた成長とステップアップのチャンス
ー今年3月、中心選手で同じPGの寺嶋良選手がケガでチームを離脱されました。
「良さんがケガをしてしまって、もちろんチームとしてはダウンする部分が少なからずあったんですけど、正直、僕はプロ選手として良い機会だと思った部分もありました。自分にプレータイムが回ってきたので、ステップアップするチャンスだなと。先発で出させてもらってプレータイムが伸びて、自信につながるプレーも増えてきましたし、同時に改善しないといけないことも増えてきますが、良い環境でやれていると感じています。この機にバスケットボール選手としての技術やメンタル面を向上させたいです」
ー中村選手の強みはどんなところですか?
「一番は、ディフェンスの部分です。最近は相手の外国籍選手とマッチアップする機会も多いので、そういう選手にも負けずにコンタクトしたり気持ちで止めるプレーとか、そういったところを見てもらいたいなと思いますね」
ー体が大きくなりましたよね。
「そうですね。2022ー23シーズンの課題の1つに『ガード陣のリバウンドが少ない』ということを挙げられていて、オフシーズンの期間にしっかりトレーニングをしました。外国籍選手ともやりあえるような体が、そこでつくられたなというのはあります」
ー来季はさらなる活躍が期待できそうですね。
「本当にいろいろな経験ができて、プロバスケットボール選手としての生活リズムも含めて学ぶことが多い1年だったので、次のプロ2年目につなげていきたいと思っていますし、より一層選手としてレベルアップしたいなという気持ちが強いです。しっかり努力を続けてステップアップしていきたいと思います」