7月24日に「第95回都市対抗野球大会」6日目・1回戦、エイジェック(小山市・栃木市)対日本製鉄瀬戸内(姫路市)が東京ドームで行われた。
3年ぶり2回目の出場で都市対抗野球大会初勝利を目指すエイジェックと、出場33回を誇る近畿地区を代表する強豪・日本製鉄瀬戸内(今季より日本製鉄広畑から改称)の一戦は、エイジェックが中盤に逆転し、5対4で都市対抗野球大会での初勝利を挙げた。
エイジェックは2回表、先発河北将太の制球が乱れ3点の先制を許す。しかし、後を受けた川端秀悟、4回から登板した補強選手・中島悠貴が粘りの投球で試合を立て直した。
三塁側を埋め尽くす6,000人を超える応援を背に、エイジェックが反撃を見せたのは6回裏だった。一死満塁のチャンスをつくると、6番・野中祐也のショートゴロの間にまず1点。その後、代打の河原井卓、8番・片平吉信の連続適時打で3対3の同点とした。さらに9番・石神悠樹の三塁ゴロに対し、相手野手の送球が乱れて2者が生還。この回一挙5点を奪う猛攻で逆転に成功し、エイジェック応援団の歓声は最高潮に達した。
エイジェックは終盤7回にも無死満塁と大きなチャンスを迎えたが、リリーフした神頭剛を前に後続が三者連続三振に倒れ無得点に終わると、続く8回表に大ピンチを迎えた。好投を続けていたエイジェックの3番手・中島悠貴が無死満塁とすると、エースの金城乃亜を投入。二者連続三振の後、押し出しとなる四球を与えるも、ここまで3安打と好調の7番・中井颯良を二塁ゴロに打ち取り、最少失点で切り抜けた。
1点リードで迎えた9回も、金城が日本製鉄瀬戸内打線を3人で締め、5対4でエイジェックが逃げ切った。この勝利は栃木県勢として、1950年(第21回大会)の古沢建設(鹿沼市)以来、74年ぶりとなる記念すべき勝利となった。エイジェックは次戦、27日に強豪・日本通運(さいたま市)と対戦する。
勝利したエイジェック選手コメントは以下の通り
●金城乃亜投手
「全国の舞台でチームとして初勝利を上げることができて良かったです。うれしい気持ちもあるが、まずはほっとしています。前の回(7回)にうちの打線も無死満塁があり、自分も同じ場面での登板ではありましたが、意識せず落ち着いて投げられました。ここまで今年は河北(将太)と切磋琢磨してやってきました。今日は(河北の出来が)あまり良くなかったですが、次の試合は自分含めてみんなで切り替えて準備していきたいです」
●中島悠貴投手
「序盤はなかなか良い形をつくれていなかったので、流れを変えられるような投球をしたいと思ってマウンドに上がりました。でも、最後は崩れてしまって金城さんにカバーしてもらっての勝ち投手。みんなでつかんだ初勝利です。初めての東京ドームは投げやすかったのですが、応援も含めて独特の雰囲気がありました。次の試合に自分の出番があるとしたら、どこで来るのかはわからないですが、先発でも中継ぎでも自分から良い流れをつくれるような投球をして、チームに貢献できるような投球をしたいです」
●京橋幸多郎主将
「今日の試合を迎えるにあたって、緊張や怖いという気持ちはありましたが、東京ドームに着いて試合が近づくと楽しみの気持ちが勝っていた。良いメンタルで試合に臨めて、チームを見てもそういう選手は多かったと思います。大会前に「1番にこだわりたい」という話をしましたが、今日のスタメンが1番だからといって臆することなくやれたと思います。(逆転時の大声援は)もちろん聞こえていましたし、正直今まで体験したことのない音量で、感動で鳥肌が立ちました。あそこの逆転というのは、僕たち選手だけでできたことではなく、スタンドも一丸となってつかんだ得点です。チーム栃木・チームエイジェックでつかんだ得点ですし、今日の勝利もそうだと思います。次の相手である日本通運さんは間違いなく強敵です。ただ、自分たちの野球は変わらないので、しっかりと切り替えて良い形で試合に臨んで、チーム・会社・栃木の歴史に新たな1ページを刻めたらと思います」
【第95回都市対抗野球大会】
エイジェック2回戦
日本通運(さいたま市)対エイジェック(小山市・栃木市)
7月27日(土)14:00〜 @東京ドーム