7月27日に「第95回都市対抗野球大会」9日目・2回戦、エイジェック(小山市・栃木市)対日本通運(さいたま市)が東京ドームで行われた。

 3年ぶり2回目の出場で都市対抗野球大会初勝利を手にしたエイジェックと、初戦で日本生命を破った、強豪・日本通運の一戦は、1対7で日本通運が勝利し駒を進めた。

初戦、2回戦と先発したエイジェック・河北将太投手

 連投となったエイジェック先発の河北は、初回に暴投で1点を奪われ、日本通運に先制を許す。エイジェック打線は日本通運・先発の山崎駿を序盤から攻め、初回、2回と得点圏にランナーを進めるも、あと一本が出ず得点につながらなかった。

 3回、エイジェックは河北が日本通運の中軸に連打を許し、1死二、三塁とピンチを迎えると、左腕の安藤幸太郎に継投。安藤は、抜群の制球力で二者連続三振を奪いこのピンチを切り抜けた。直後の3回裏、エイジェック打線は先頭の京橋幸多郎の内野安打と2つの四球で一死満塁のチャンスをつくると、この日5番に入った河原井卓の犠牲フライで同点に追いついた。

 エイジェックは同点で迎えた5回、再び2死一、二塁のピンチを迎える。ここで日本通運の7番・木村翔大にレフト前ヒットを浴びるも、レフト京橋の好返球で本塁タッチアウト。堅い守りも投手を盛り立てた。

 試合は中盤以降に動いた。6回、好投を続けていたエイジェック3番手・中島悠貴が捕まり、5本の長短打で3点を失って勝ち越しを許すと、7回にも4番手・川端秀悟が、日本通運の2番・添田真海にスリーランホームランを打たれ、1対7と大きく引き離された。

 追う展開となったエイジェックは、終盤7回、8回にもランナーを出すが、あと一本が出ず無得点。創部初のベスト8入りとはならなかった。

以下、エイジェック監督、選手のコメント。

●難波貴司監督
「相手の隙を探しながら戦っていたが、なかなかミスもなく、隙がありませんでした。野球の神様が今回は都市対抗で『一回勝つ』ということだったと思います。また今後、次の景色を見に行けるような、優勝候補と言われるようなチームをつくっていきたいと思います」

●京橋幸多郎主将
「自分たちの現在地が分かる試合でした。やらなければならないことがたくさんあると分かった一方、勝つことによって、勝つことでしか得られない成長というのもできた大会だったと思います。もっと個々のレベルアップをしないといけませんし、自分たちは相手の隙を突くことができませんでした。初戦は相手の隙を突いて勝つことができましたが、常にそういう試合が出来るような、波の少ないチームを目指したいと思います」

●河北将太投手
「チームの敗退は自分の責任です。先発のマウンドに立ちながら、他の投手が早くマウンドに上がらないといけない展開をつくってしまいました。先のことを考えるのは難しいですが、今の自分では全国で通用しないことが分かりました。次に向け、自分自身を見直し、チームを勝たせられるように準備をしていきたいです」

 ●中島悠貴投手(補強選手・茨城トヨペット)
「2試合登板機会をいただけてありがたいですし、自分でも投げたいと思っていました。ただ、自分の球種などが対策されているときにどう対応していくのか、社会人野球選手としてステップアップするにあたり、重要なことだと思いました。エイジェックでは本当にたくさんのことを学ばせてもらいましたが、これらをチームに持ち帰って、次は茨城トヨペットとして都市対抗に出たいと強く感じた本戦期間になりました」

 ●野中祐也投手(補強選手・日立製作所)
「補強選手という立場として結果を残すことは出来ませんでしたが、劣勢時にどう振る舞うかなど、自分の10年間の蓄積をチームに残したいと思っていたので、そういう部分ではエイジェックに還元することができたと思っています。このように10年目の節目を補強選手という形で呼んでいただいたのも何かの縁。北関東の少ない枠を争うライバルとしてエイジェックには頑張ってほしいし、日立製作所としても次また負けることがないようにやっていきたいです」 

●樫村昌樹選手(補強選手・日本製鉄鹿島)
「補強選手として呼んでいただいて、楽しく野球をやらせてもらいました。自分のアピールは特に考えず、チームが勝つこと、チームに貢献することだけを考えてプレーしました。残念ながら負けてしまいましたが、前半はエイジェックらしい良い試合が出来たと思っています。今大会を通して得たものを自分のチームに持ち帰り、還元していきたいです」