現役ドラフトや外国人補強、選手の移籍を経て、大きく顔ぶれが変化する新井カープ。先発の一角を担った九里亜蓮、中継ぎとして活躍した矢崎拓也が抜けた一方で、新戦力としてチームに加わった面々も。カープOB・大野豊氏が、『変化』を目指す新井カープの注目選手を、独自の目線で解説する。
◆投手・野手ともに選手の顔ぶれが変わった新シーズン
間もなく春季キャンプが始まります。昨季最終戦での新井貴浩監督のスピーチにもあったように、今年は『変化』の年になると言われています。移籍や加入など選手の顔ぶれにも変化があり、驚いたファンも多かったのではないでしょうか。
先発4本柱のうちの一人だった九里亜蓮がオリックスへと移籍しましたが、ある意味では、若い投手陣にとっては大きなチャンスです。九里の抜けた部分に割り込んでくる投手は誰なのか。そこを予想するのも楽しみの一つです。先発候補として名前が挙がる投手はたくさんいますが、まず大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁の3人は間違いないでしょう。そこに、森翔平や玉村昇悟に割って入ってきてもらいたいですし、黒原拓未や斉藤優汰、常廣羽也斗といった若い投手にも注目したいところです。非常に期待感のある顔ぶれでもありますから、春季キャンプで彼らがどのようなアピールを見せてくれるかを楽しみにしたいと思います。
3回目となった現役ドラフトでは、オリックスから内野手・山足達也、日本ハムから投手・鈴木健矢を獲得しました。カープからは、矢崎拓也のヤクルトへの移籍が決まっています。昨シーズンの矢崎を見る限りでは、今のカープで登板数を増やしていくのはなかなか難しいのではないかと感じていました。期待をされてヤクルトに行ったわけですし、神宮球場は慶応大時代から親しんだ球場でしょうから、新天地でぜひ頑張ってもらいたいと思います。
現役ドラフト1巡目で獲得した山足は、プロ8年目を迎える内野手です。ドラフト会議でも1位で青山学院大から内野手の佐々木泰を獲得し、外国人選手も、内野手のエレフリス・モンテロを獲得しました。かなり新しい顔ぶれが増えた印象ですから、内野の争いも激しくなっていくでしょう。今までいた選手たちも油断ができません。ポジションをつかみ取るためにどこまでパワーアップできるかが重要になります。
現役ドラフト2巡目で獲得した鈴木は、変速アンダースローの投手です。チームにいないタイプの投手ですから、中継ぎで機能する可能性も大いにあり得ます。そういう意味では、先発だけでなく、リリーフ陣の競争もさらに厳しくなることが予想されるでしょう。投手陣に関しては、開幕に向けて非常に楽しみがあると感じています。