2023年に兄である新井貴浩監督と同時にカープ二軍打撃コーチに就任した新井良太氏。2年間、大きな可能性を秘めた若鯉を相手に、日々二軍で全力で指導を行ってきた。そして、昨季一軍シーズン最終戦。スタメンには手塩に掛ける若手がスタメンい名を連ねた。ここでは、昨季オフに聞いた新井二軍打撃コーチの指導論をお送りする。(全3回/3回目/取材2024年12月)
◆自身が日々アップデートしながらアプローチは継続していく
─2025年は新井カープとして3年目になります。新井コーチとしてはどのような変化を考えておられますか?
「自分では日々、自分自身をアップデートしているつもりです。1日1日変化していく中で、声かけであったり、技術指導であったり、そういうことが変わっていくと思います。ただ、別の考え方としては、3年やって1つの形になると思っているので、良い意味で2年間100%で選手と向き合ってきたつもりなので、3年目もアプローチの仕方は変えないつもりですし、ここは変わるべきではないと思っています」
─継続することも大事であるということですね。
「そうですね。僕自身のあり方については、不変ですね」
─その中で選手が良い意味で変化していくことが期待されます。
「大きな可能性を秘めている内田、仲田、田村らに加えて、来季は大卒野手が2人入ってきます。二軍に来るのかどうか分かりませんが、彼たちの価値を高めてあげることが僕たちの仕事ですので、そこに注力していくことは変わりません」
─最後にカープファンのみなさんに向けて、育成現場の立場として、どのような部分に期待してほしいですか?
「チームとしてのトータルで言うと、2024年の悔しさです。これをエネル ギーに変えてぶつけてほしいですし、その荒ぶった選手たちをぜひ、マツダ スタジアムに見に来て応援してほしいです。そして、二軍の若手選手については、活きの良い選手がたくさんいます。そういう選手が二軍で頑張っている姿を見ていただいて、昨シーズン最終戦で内田と仲田がヒットを打ったような、若手が成長していくストーリーをぜひ一緒に見て応援していただきたいです。若手選手への声援もどうぞよろしくお願いします」
新井良太(あらい・りょうた)
1983年8月16日生、広島県出身
選手経歴広陵高-駒沢大-中日(1999 〜2004)-阪神(2005〜 2010)
コーチ歴/阪神(2017-2022)-広島(2023 〜)
広陵高から駒澤大に進学し、2005年に大学生、社会人ドラフト4巡 目で中日に入団。2010年にトレードで阪神に移籍すると、実兄の新井貴浩監督とともにプレーした。2017年限りで現役を引退し、阪神の二軍育成コーチに就任。2020年には一軍打撃コーチを務めた。2023年に兄・新井カープの二軍打撃コーチに就任。