ルーキーイヤーから先発ローテーションを担い続ける森下暢仁。昨季は早々に10勝をマークしながら、後半戦は悔しい結果に終わった。次代のエースとして大きな期待を背負う、背番号18の今に迫った。(全2回/第1回)
◆昨季は普段通りのことが、最後までできなかった
─昨シーズン、チームは結果的に4位でした。改めて振り返ると、どのようなシーズンでしたか?
「そうですね、チームとしてはとても悔しいシーズンでしたし……なかなかうまくいかなかったなというシーズンだったと思います。僕個人としても、10勝4敗という数字から6敗してしまって、10勝10敗と個人としても貯金ができませんでした。そこも優勝できなかったことの原因になってしまったのかなと思います」
─特に優勝が見えたシーズン終盤9月にチームは失速し、森下投手も苦しい時期となりました。どのような雰囲気だったのでしょうか。
「全く勝てなかったですし、どうにか食い止めたいところで勝てそうな試合でも打たれてしまったり、そういう流れを繰り返していたので……なかなか厳しいなという雰囲気でした。優勝が見えて力んだとか、特にそんなことはなかったと思うのですが、普段通りのことができなかった、それが最後まで続いてしまったのかなと思います」
─昨シーズンは暑さの影響も話題になりましたが、いかがでしたか?
「マウンドで投げていて、汗の量はすごくなっているなと感じています。ですが、もともと夏の暑さはそんなに気にしていないですね。つったりもあまりないので、うまく対処していければと思っています」
─野村祐輔投手(現三軍投手コーチ兼アナリスト)の引退試合となったシーズン最終戦で、新井監督から「変化」と発言がありました。選手としてどのように受け止められましたか?
「監督が言うとおり、悔しいシーズンだったことに変わりないですし、監督のスピーチを聞いていて、同じことを繰り返してはいけないと思いました。またチーム全体が変化しないといけないという気持ちになりました。開幕が近づくにつれて、より一層引き締まってくると思っています」
─2025年を前にカープ投手陣にもさまざまな動きがありました。投手陣では昨季限りで森下投手にとって明治大の先輩である野村投手が引退されました。どのような思いでしたか?
「僕が明治大のときから『(明治大時代の)祐輔さんの投球はすごかった』と聞いていたので、まさか僕がカープに入って祐輔さんと一緒に野球をやれると思っていませんでした。昨年引退を決断されたなかで、祐輔さんでもプロ野球の世界で長く野球を続けることが難しいんだなと改めて感じました。自分は今年28歳になる年ですが『あと10年野球を続けられるか?』と聞かれたら、分からないなと改めて感じました。引退スピーチやあのセレモニーを見ていて、自分も引退するときには祐輔さんのように、いろんな方々に『お疲れ様』と言っていただける存在になりたいなと思いましたね」
─また、先発ローテーションを共に支えてきた昨季の開幕投手・九里亜蓮投手(現オリックス)がチームを去りました。
「亜蓮さんはいつも自分のことを黙々と練習して、チームを引っ張っていこうという気持ちが強い先輩でした。亜蓮さんが決断されたことですし、僕も今後が気になりますし、投げ合うこともあるかもしれません。良い先輩だったので寂しいですし複雑な思いですが、お互いに頑張れたらなと思います」
(後編へ続く)