新井カープ3年目となる2025年、開幕から約1カ月が経過する。今季はこれまで課題と言われ続けてきた得点力不足の解消にも注目が集まる中で、チームは好調な滑り出しを見せている。ここではカープOB・大野豊氏に新井カープの戦いぶりを聞いた。
◆昨季の反省を活かした打線の活性化に期待
今年もペナントレースが開幕し、対戦カードも一巡しました。オープン戦は打線の調子が上がらず苦しい試合が続いていましたが、首脳陣としても若手を起用するなど選手の見極めの時期として捉えていたのだと思います。課題である打線については、開幕前に坂倉将吾が故障離脱するアクシデントもありましたが、ここまでは打線もつながり、なかなかの滑り出しを見せているのではないでしょうか。
昨シーズンから課題と言われる得点力ですが、これは今シーズンも引き続き注目していきたい部分です。1点を取るために苦労をするような状況は避けたいところですし、そのためにキャンプでも振り込みをしてきたわけです。シーズンではその成果を出し、勝ち星を積み上げていかなければなりません。先制して、もし逆転を許してしまったとしても、もう一度試合をひっくり返せるような打線の流れを期待したいところです。
そういう意味では、昨シーズンは逆転勝利の試合が非常に少なかったことも懸念点でした。3連覇をしていた頃は『逆転のカープ』と呼ばれていました。もちろん当時とは選手の顔ぶれも違いますし、ホームランの数が減少しているなど、異なる点はあります。しかし、一番は打線につながりがあるかどうかです。
3連覇当時の打線は1番から8番までにつながりがあり、どこからでも得点できるチャンスがありました。昨シーズンのカープ打線の課題は、チャンスをつくることができてもホームに返すことができないこと。そのためにも、繰り返しになりますが打順がある程度固定されていることが大切です。昨年は4番が定まらず、打順のやりくりに苦労しました。今シーズンのカープがどのような打線、打順をつくっていくのかにも注目したいです。