2024年ドラフト会議でカープがドラフト1位指名したのは、長距離砲として東都大学リーグで名を馳せた青山学院大の佐々木泰。オープン戦での故障の影響で実戦から離れていたが、5月10日にマツダ スタジアムで行われた二軍戦では待望のプロ初アーチを放つなど、期待は高まるばかりだ。ここでは改めて、ドラフト指名直後の単独インタビューを再編集してお届けする。(全3回/第1回)
◆不安を抱いて迎えたドラフト。1位指名には驚き
─プロ志望届を提出後、ドラフトを迎えるまでどのような心境でしたか?
「プロ志望届を出すことは決めていたのですが、出した後は改めてプロになるんだという責任感が芽生えました」
─ドラフト会議の当日はどういう気持ちで迎えましたか?
「やっぱりドラフトは何があるか分からないので、不安でいろいろな気持ちが入り混じっていました。前日は夜中に何回か起きてしまい、あまり深く眠れなかったです」
─カープから1位指名を受けた瞬間のお気持ちはいかがでしたか?
「あんなに早い段階で呼ばれるとは思っていなかったので、心の準備ができておらず本当にびっくりという感情が一番でした」
─昨年のドラフト1位指名だった常廣羽也斗投手と同様、当日に新井貴浩監督が指名挨拶に来られました。
「昨年自分は遠くから見ていましたが、自分がその立場になってみると、カープの一員になったという自覚も生まれましたし、プロの舞台に立てるという喜びが一番大きかったです。新井監督からは『早く広島で会えるのを楽しみに待っているから』と声をかけていただいたので、不安な気持ちが解けました」
─カープの内野陣に対するイメージを教えてください。
「守備力がリーグでトップクラスというイメージがすごくあります。その中でやっていけるかなという不安はもちろんあるのですが、さらに上達できるチャンスが増える、すごく良い環境でやらせてもらえるんだなと思っています」
─現在、守備に対する意識や思いはいかがですか?
「もちろんサードに対する思いはあるんですけど、試合に出ることが一番だと思うので、外野と言われたら外野でも行きます。だから、今はどこでも練習している状態ですね」
─佐々木選手といえば、長打力が魅力です。現在のプレースタイルを目指すきっかけを聞かせてください。
「中学時代はそんなにホームランをバンバン打つ選手ではなかったのですが、県岐阜商高に入って、鍛治舎巧監督(当時)のもとで『とにかく強く振れ』とずっと言ってもらいました。フリーバッティングでも力を抜かずに常に遠くに、遠くに。強く、強くと意識していました。学年が上がるにつれて長打力がだんだんと磨かれていきました。手応えがありましたし、高校の3年間が今の長打力につながっていると思っています」
─高校時代の経験は、どのように大学でのプレーにつながっていますか?
「自分たちの世代は3年になってコロナ禍の影響でいろいろなくなり、なかなか思うようにいかない時期もありました。その中で、その先の大学4年間で頑張っていくための体づくりなどの練習に励むことができました。そのモチベーションや形をつくってくれたのは監督であり、仲間です。だから高校時代の監督やコーチ、同級生には本当に感謝しています」
─高校関係者の方にはドラフト後に報告などはされましたか?
「当日、鍛治舎監督や顧問の方などからメールをいただきました。本当に喜んでおられる様子だったので、少しは恩を返せたかなと思います」
(中編へ続く)