5月10日にマツダ スタジアムで行われた二軍戦で待望のプロ初アーチを放ち、一軍昇格が待たれる佐々木泰。2024年ドラフト会議でカープに1位指名され、長距離砲候補として期待の集まる佐々木が、主力として活躍した青山学院大時代を振り返った、ドラフト直後の独占インタビューを再編集してお届けする。(全3回/第2回)
◆全て今につながっている。意味のある濃い大学4年間
─青山学院大では、1年春からリーグ戦で4本塁打を記録するなど大活躍からのスタートでした。
「当時はプレッシャーもなく何も考えることなく、ただただ野球をしていた感じがします。あの結果が出たからこそ、他の人には味わえない様々な感情を持ちながら野球をすることができました。そこから打てない時期もありましたけど、そういう経験も本当に活きて、全てのことが今の自分につながっていると、すごく感じています。とても濃い4年間、意味のある4年間でした」
─1年生であれだけ結果を出しただけに、その後の苦しみはより感じたかと思います。どのように受け止めていましたか?
「やっぱりあれだけ打って、もっと打てるんじゃないかという周りの期待や、そういう声をもちろん耳にしていましたし、感じていました。『もっと打たなきゃ、何とか打ちたい』という気持ちがとにかく強くなっていく一方でした」
─なかなかすぐ結果には結びつかない中で、どのように折り合いをつけていったのでしょうか?
「2年秋までは『なんで打てないんだ』と、結果に左右されながら野球をしてしまっていました。 でも、2年秋の勝てば優勝が決まる試合で、最終回に自分のエラーから逆転負けを喫して優勝を逃してしまいました。そこからは結果に左右されず、常に自分のやるべきことを変えずに、試合中でも練習でも行動していくことが大事だなと感じました」
─4年時には主将も務めましたが、主将の経験はどのようなものでしたか?
「やはり主将という立場である以上、弱い姿を見せちゃいけないと思っています。後輩も見ていますし、自分が一番ちゃんとしていなきゃ下はついてこない。だからアップ1つの動きにしろ、心がけてこの1年間やってきました」
─秋のリーグ戦では死球で指にケガも負いました。順風満帆ではなかったと思いますが、大学野球最後のリーグ戦はいかがでしたか?
「個人としてホームランはありませんでしたが、打率が3割に乗りました(打率・306)。長打も8本とそれなりに結果は残しましたが、求めているところはまだ高いところにあります。プロの世界に入ることができたので、これから先はさらにもっと自分の求めているものを追求していきたいです」
─チームには同じくドラフト1位指名を受けた西川史礁選手(ロッテが交渉権獲得)がいます。佐々木選手にとってどんな存在ですか?
「チームメートとしては本当に頼りになる4番打者ですし、同じ右打者の似たタイプとしても良いライバル関係でした。 ずっと心の中で『史礁に負けない、負けたくない』と思いながら練習してきました。史礁がいなかったら2年秋から頑張ってこられなかったなという思いがあります」
(後編へ続く)