5月10日にマツダ スタジアムで行われた二軍戦で待望のプロ初アーチを放ち、一軍昇格が待たれるカープのドラフト1位ルーキー・佐々木泰。ここでは、ドラフト直後の独占インタビューを再編集してお届けする。(全3回/第3回)

入団会見でガッツポーズを見せる佐々木

◆佐々木を支えた恩師の言葉

─これまでの野球人生のなかで、佐々木選手の心に残っている恩師の言葉などがあれば聞かせてください。

「県岐阜商高時代の鍛治舎監督が言ってくださって心に残っているのが、『思わないことは叶わない』という言葉です。どうせ無理だろうと思うんじゃなくて、日本一を達成するという思いを常に持って行動していけば、日常生活も全部野球につながってくると思っています。 最初は『そんなの嘘だろ?』と思っていましたけど、ゴミをちゃんと分別することだとか、そういう当たり前のことをきちんと継続してやってくることができましたし、全部つながっているんだと思って生活しています。大学の安藤寧則監督は『一生懸命が一番かっこいい』とよく言われています。2年ぐらいまでは自分の結果に左右されながらやっていたので、手を抜いたりするシーンもよくあったと思うんです。ですが今は、たとえばフライでもダッシュで走ったり、頑張って常に自分の結果に左右されることなく継続してやっています」

─『一生懸命が一番かっこいい』。その言葉に出会うまでは一生懸命がちょっと恥ずかしいという思いもあったのですか?

「平凡なフライでも全力で走ったりするのは、ちょっとダサいというか……そういう感覚が実際はありました。でも今ではちゃんと走り切ることが一番かっこいいと感じます。これは、青山学院大のみんなも全員が思っていることです」

─指名されたカープについて伺います。どんなイメージを持っていますか?

「本当にファンの方が熱く、地元の方がカープを全力で応援しているイメージがすごく強いです。その中でプレーできるということは今まで味わったことがない感覚だと思うので、楽しみですね」

─佐々木選手は高校、大学と青系統のユニホームでしたが、カープは赤です。イメージはできますか?

「たぶんあまりイメージがつかないと思うのですが、赤は好きなので楽しみです」

─カープには青山学院大の1年先輩である常廣投手や県岐阜商高で1学年後輩である高木翔斗選手が在籍しています。

「高木も常さんもLINEで話しました。常さんはドラフトが終わった後に電話で喋って、『よかったな。最高やな』みたいに喜んでくれたので、また一緒に野球をできるのが待ち遠しいです」

─カープが本拠地を置く広島県の思い出などがあれば教えてください。

「実は広島県には1回も行ったことがないんです。でも一度は原爆ドームに行ってみたいなとずっと思っています。高校の修学旅行で長崎県の原爆資料館に行ったのですが、自分は歴史に触れることに関心が強いので、ぜひ行ってみたいです」

─カープファンに見てもらいたいアピールポイントはどういうところでしょうか?

「得点圏やチャンスでの自分の打席は、自分でも特に気持ちが入る場面でもあるので、そこで一本出せるかどうかというところを、ファンのみなさまには期待して見てもらいたいと思います」

─プロ野球での目標を聞かせてください。

「ゆくゆくはホームラン王を獲れるような打者になりたいです」

■佐々木泰(ささき・たい)
2002年12月24日生、岐阜県出身
県岐阜商高-青山学院大(2024年ドラフト1位)。県岐阜商高時代は1年夏から4番を経験。高校通算41本塁打を記録。青学大では1年春からサードのレギュラーとして試合に出場し、4本塁打を放ちベストナイン。4年春からは主将を務めた。大学通算12本塁打をマークするなど、強打の内野手としてプロから注目されていた逸材。