思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。

 今回は、交流戦の振り返りについて、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。

背面キャッチのファインプレーも魅せた大盛穂(イラスト・オギリマサホ)

◆カープ交流戦の収穫は、“大盛の台頭”

 このところ毎年この時期に、当コラムで交流戦について書いている。というより、このところ『交流戦について書く気になっている』というのが正しいかもしれない。

 2005年から始まったセ・パ交流戦では、今年までの20回の開催のうち(2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止)、パ・リーグ勝ち越しが17回、セ・リーグが3回と、そもそもセ・リーグの分が悪い状況が続いている。中でもカープは、過去20回のうち勝ち越しがわずか4回、2019年からは3年連続で交流戦最下位となっており、ファンの立場からしてもすっかり『交流戦怖い』という意識が根付いてしまっていたのだった。

 ところが新井貴浩監督就任後のカープは、9勝9敗(2023年)、10勝8敗(2024年)、そして今年は9勝9敗と、負け越しのない状態が続いている。特に今年はセ・リーグ各球団が苦戦する中、カープはセ・リーグで唯一、勝率5割を保って交流戦を終えたのだ。

 3年連続で交流戦の勝率5割以上というのは、リーグ三連覇の前年・2015年から2017年にかけて以来であり、いやが上にも期待が高まる。これはもう、交流戦に対して苦手意識を持たなくてよいのではないか、と。

 特に今年の交流戦では、チーム打率が12球団中1位(.265)と、打線の好調さが目立った。その中でもとりわけ目立ったのが、大盛穂の活躍ではないだろうか。

 交流戦が始まった時点では、代走や守備固め要員としてベンチ入りしていた大盛。ところが6月8日の西武戦で、代走出場後に回ってきた打席で今季一号のソロホームランを放った。その後も打撃の好調は続き、ついに6月12日のロッテ戦からはスタメンに名を連ねるようになったのである。

 交流戦が終わってみれば、10試合連続安打を記録した大盛は『1番・センター』に定着し、今後のリーグ戦での活躍が期待されている。この『大盛の台頭』というのが、交流戦カープの大きな収穫だったのかもしれない。

 ここ2、3年は、勝ち越しているとは言ってもまだ『交流戦に対する苦手意識』みたいなものが残っていて、交流戦のコラムを書くにしても『パ・リーグの対戦チームとのコラボグッズ』だの『交流戦グルメ』だのに逃げてしまう傾向が私にはあった。しかし、本当は交流戦で躍動する選手を期待すべきではなかったか。今後は「交流戦楽しみ、今年はどんな選手が活躍するかな」という期待を堂々と言えるファンでありたいと思う。