ドラフト1位でカープに入団し、背番号14を背負い続けて12年目。多くのカープファンは背番号14を背負った津田氏とその背番号を受け継ぐ大瀬良を重ね合わせて見守り続けてきた。投手陣最年長となった鯉のエースに、津田氏と背番号への思いを聞いた。(全2回/第1回)

背番号14への思いを語る大瀬良大地

背番号14に成長させてもらった

 津田さんが背負っていた背番号14にお世話になって、今年で12年目になります。入団時から津田さんの話題をお聞きする機会も多かったので、命日の7月20日が近づいてくると「今年もこの時期が来たな」と思いますね。この日に過去3回登板する機会があって、昨年は甲子園球場で投げました。やっぱりご縁を感じますし、勝てたら良いなという思いは、普段の登板よりも少し強いかもしれません。

 山口県にあるお墓には、何度も行かせていただいています。初めて行ったのはルーキーイヤーのオフでした。行く時期はそれぞれ違いますが、シーズン直前にご挨拶することもあれば、シーズン中にも何回か行ったこともあります。今年は息子と2人で行きましたね。

 背番号14については外木場義郎さんなど、津田さん以外に背負った先輩方もたくさんおられますし、みなさんにリスペクトを持っています。ですが、やっぱり津田さんにフォーカスされることが多いなと感じますし、あの投球スタイルであったり、僕が若い時には「弱気になるな!」と津田さんと重ね合わせて応援していただく声も多くありました。そういった意味でも、津田さんにお会いするためにお墓にご挨拶に行かなければいけないと思っています。いつも、「背番号14にお世話になっています」「今年はこんなシーズンでした」「もっと良い成績を残せるように頑張ります」など、その時その時の気持ちを伝えに行かせていただいています。やはり、お墓参りをさせていただくと、変な力がとれるというか、いろいろな思いを報告させていただくことで、「次の挨拶までしっかり頑張ろう」という気持ちにさせていただいています。

 ですので、おこがましいかもしれないのですが、僕の気持ちにはいつも「背番号14を汚さないようにプレーする」という思いが強いです。投手が背負うエースナンバーは18番というイメージが強いですが、カープファンのみなさんからすると、14番の方がエースナンバーだとおっしゃる方もいらっしゃるので、なんとかこの番号を良いものにしていきたいと思っています。

(後編へ続く)