2024年ドラフト2位で富士大からカープに入団した佐藤柳之介。大学時代は1年からベンチ入りを果たすと、4年次の秋季リーグではチームを優勝に導く快投でMVP、最優秀防御率賞、ベストナインも受賞した。プロ1年目の6月29日、ついに一軍初登板に機会を得た左腕は、『初』登板・『初』先発・『初』勝利・『初』打席・『初』安打と、『初』づくしの活躍で華々しいデビューを飾った。

7月6日の巨人戦でプロ2試合目の先発に臨む佐藤柳

「初勝利のあとは、たくさんの人にお祝いのメッセージをもらいました。でも実は、投げる方より、『初安打』のほうにコメントをしてくれるひとが多くて」と笑顔で明かした佐藤柳。

「笑われるという言い方もおかしいですけど、ヒットのほうを言われることが多かった気がしますね」と話すが、中日戦でのルーキーらしからぬ投球が多くのカープファンの心をつかんだのは間違いないだろう。今年4月のインタビューでは、「いまの目標は『まず1勝』です」と掲げていたが、初登板でその『1勝』をつかみとった。次の目標については、こう語った。

「いまは、特に目標として数字をあげてはいません。やはり、2勝、3勝と一つずつ重ねていくことが大切だと思うので。急に10勝というのも現実的ではないと思っているので、練習を一つひとつしっかり継続して、結果につなげていきたいと思っています。だから、次の目標は掲げるとしたら『2勝』ですね」

 初ものづくしでファンを沸かせても、若鯉はあくまでも冷静に次戦を見据える。

「真っ直ぐの強さであったり、そういう自分の良いところをもっと出していきたいです。前回の登板で満足しているわけではないので。一喜一憂せず、1試合1試合、日々成長できるように、自分の投球をしっかりすることを意識しています」

 プロ2度目の登板で、目の前の目標「2勝目」を目指す。