現役時代はカープ3連覇に大きく貢献し、昨シーズン限りで現役を引退した田中広輔氏。百戦錬磨の『選球眼』は、今季のカープ野手陣をどう見るのか? 今回は、かつての不動のリードオフマンがシーズン序盤を振り返り、『結果を出し続ける難しさ』を語った。(全2回/第1回)
◆序盤は若手が好調な滑り出しを見せたものの……
ここまで攻撃陣を見ていて、主力を含めて全く打てていないとは感じていません。ヒットは出ていますし、チャンスもつくれています。ただ、得点の奪い方に苦しんでいる印象があります。数字以上に「どのようにして点を奪っていくか」という部分に課題があるように見えます。
昨年からチームは若手を積極的に起用しながら変革期に入っています。新井貴浩監督も「痛みを伴う」と口にされていましたが、キャンプやオープン戦では多くの若手が結果を残しました。だからこそ、開幕からスタメン起用される流れになったのだと思います。
ただ、シーズンに入ると状況は変わるものです。ドラフト1位ルーキーの平川蓮選手はオープン戦で結果を残しました。しかし相手の研究も進み、開幕後は思うような打撃ができていません。プロ特有のプレッシャーもあったと思いますが、良い部分を見せていますし、こうした経験は必ず成長につながります。
結果が出なくても使い続けるのか、それとも違う選択をするのか。首脳陣にとって難しい判断なのではないかと思います。
また、昨年結果を残し、期待を集めていた中村奨成選手も打撃で苦しみました。
今シーズンはプロ9年目ですが、ようやく継続して結果を求められる立場になったと言えます。今年、解説で訪れたある日の試合前、本人に「やっとプロ野球の世界に入ったな」と声を掛けたことがありました。
プロは結果を出すだけでなく、それを続けることが求められます。今の苦しみを乗り越え、もう一段階上の選手になってほしいと思っています。
(後編へ続く)
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