交流戦を6勝12敗0分の10位で終え、ペナントレース後半戦に突入したカープ。交流戦明けには対セ・リーグで4カード連続勝ち越し、7月3日時点では、セ・リーグ4位につけている。現役時代、先発、リリーフとして5度の優勝に貢献しカープ黄金期を支えた大野豊氏は、上位浮上を目指すカープをどう見ているのか。幾多の修羅場をくぐり抜けてきた伝説の左腕が、独自の視点で今のカープ投手陣を徹底分析する。(第1回/全2回)

5月以降は故障による離脱があったものの、7月上旬の一軍復帰が予想されている栗林良吏

◆限られた登板、与えられたポジションでいかに投げ切れるか。

 借金6で交流戦に突入したカープですが、交流戦でも引き続き苦しい戦いが続き、トータルで負け越しとなってしまいました。交流戦では大差をつけられて負けた試合はほぼありませんでしたし、終盤にかけては無失点で勝利した試合もありました。交流戦明けからは7点、8点と複数得点で勝利した試合もありましたが、一方で大量失点してしまった試合もあり、波のある戦いが続いている印象です。

 ただ交流戦に関して言えば、僅差で負けてしまった試合があるということは、『リリーフ陣が踏ん張れば勝てた試合もあった』ということです。これに関しては打線との絡みもあるでしょうから、一概に投手だけに原因があるとも言えません。ただ投手としては、限られた登板、与えられたポジションでいかにしっかり投げ切るか。どれだけ無駄な四球を減らせるか。ここから先は、そうした部分も大切になってくることは間違いありません。

 ここまでの投手陣を見ていて気になるのは、先発、リリーフどちらも1イニングでの複数失点が非常に多かったところです。ここから勝ち試合を増やしていくためにも、投手は試合の流れをつくりつつ、打線にはさらなる奮起を期待したいところです。

 私自身も経験がありますが、投手は変に考えすぎると自分の気持ちのコントロールがうまくいかず、力んでしまって本来の力を出せなくなることがあります。ある程度の緊張感はもちろん必要ですが、リラックスしてマウンドに上がることも、自分の能力を十分に発揮するためには大切です。

 その良い例が、今シーズンの栗林良吏だと感じます。

 クローザー時代はとにかく必死に投げているように見えていましたが、先発に転向してからは、非常にリラックスして投げている印象を受けます。だからこそ故障前までは、良い内容で来ることができていたのではないでしょうか。

(後編へ続く)

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