昨季、高卒1年目ながら一軍でその高いポテンシャルを見せつけた小園海斗が、試練の時を迎えている。

 一時期、1割台まで沈んでいた打率は、徐々に上昇してきたが、ここまで一軍昇格はなしと、周囲の期待を裏切るシーズンを過ごしている。

不振が続いていた小園選手だが、9月に入り復調気配を見せている。

 今季は春季キャンプで田中広輔の後塵を拝し、開幕前の6月7日に二軍に合流した。早期の再昇格が期待されたが、極度の打撃不振に陥り小園の昇格は見送られ続けた。8月28日には遠征メンバーを外れ、大野練習場での調整に切り替えた。昨季と違う地道な調整法で、一心不乱に汗を流し続けた。

 この練習が功を奏し、直後のソフトバンク戦(9月4日/由宇)で今季初の猛打賞を記録。現在は2割半ばまで打率を回復させている。ここでは早期の一軍再昇格を目指す小園の、現在の思いに迫る。

◆まだまだ自分自身の実力がないと痛感。ただ、これが現実だと思います

─ 今季はここまで二軍でのプレーが続いています。ご自身のプレーを振り返ってみて、どのように自己評価をされていますか?

「1年目の昨季は一軍で試合に出させてもらっていましたが、今季あまり結果を出せずに二軍にいることで改めて、まだまだ自分自身の実力がないと痛感しました。ただ、これが現実だと思います。今はとにかくここから成長して、また一軍で活躍するんだという強い思いを持って日々プレーしています」

─ 打撃では現在どんな点を意識して練習に取り組んでいますか?

「まずは軸をしっかりつくって打つ、ということです。打席によって体が開いたりとか、上体が前につっこんでしまったりとか、いろいろなブレがあるので、シーズン通して考えるとどうしても安定感が出ません。今の自分はそういうところが序盤から目立っているので、打席でのブレの修正に取り組んでいます」

─ 9月11日のオリックス戦(オセアンBS)で4打数4安打をマークしたように、徐々に打撃で結果が出てくるようになっています。

「そうですね。少しずつですけど、形にはなってきているのかなと思います。それだけに、これまで取り組んできた練習を、しっかり続けていくことが大切だと思います」

─ 守備面の手応えはいかがでしょうか?

「守備に関しては落ち着いてプレーできていると思います。ただ、周りへの声掛けや、守備位置の指示はショートとして、やっていかなければならない部分だと思っていますし、そこはまだ課題に感じる部分もあります。実際コーチからも声掛け、指示出しの部分は課題として指摘してもらっています」

─ 同期の羽月選手が一軍デビューを果たしましたが、やはり同い年の選手の活躍は気になりますか?

「そうですね。やはり刺激になりますね。昨季は一軍でプレーさせてもらっていますが、今季はまだ一回も一軍でプレーすることができていません。やっぱり正直悔しいですし、その気持ちは忘れずにいたいです。羽月はチームメートですけど、ライバルでもあるので負けないように頑張りたいです」

─ 最後に今後の意気込みを聞かせてください。

「もう一度、一軍の舞台で活躍できるように、試合数は残り少ないですけど、チームに貢献できるようにここからもう一度頑張っていきたいと思います」