10月3日のJ1リーグ第20節で、サンフレッチェ広島がサガン鳥栖に3対0で快勝した。ボール支配率は五分ながら、内容的にはほぼ圧倒。浅野雄也のゴールに始まり、前半終了間際には東俊希のリーグ戦初ゴール。後半11分には青山敏弘の2年5カ月ぶりとなる、豪快なミドルシュートも飛び出した。

前線から積極的にボールを追う永井龍選手。前節の鳥栖戦でも、献身的な守備が際立っていた。

 このゴールラッシュを生み出した一つの要因が、前線からの積極的な守備だろう。得点こそ奪えなかったものの、1トップとして先発起用された永井龍が献身的な守備でチームに貢献。80分の出場ながら、スプリント回数は両チーム合わせてもダントツの1位(31回)を記録した。

 「最低限の自分の仕事はできたかなと思います。ただ、ゴールを決めるというFWとしての課題は残ったのかなと思います。鳥栖戦で言うなら、あれだけ点差があるならもっとシュートを打っても良いのかなと思いましたし、器用になりすぎずもっとガツガツしても良いのかなと思いました。もう少しエゴを出すのも必要なことかなと思います」

 しかしながら、永井が前線からボールを追うことで、相手DFは明らかにプレッシャーを受けていた。サンフレッチェでの初ゴールは成らずとも、鳥栖戦における貢献度は計り知れないものがある。

 ガイナーレ鳥取戦(6月13日)のハットトリックに代表されるように、練習試合ではゴールを量産している永井。松本山雅FCから新たに加入したストライカーが、得点を記録する日もそう遠くはないだろう。