大瀬良大地、Kジョンソンと左右の先発の柱を欠いた状況での戦いが続く今季のカープ。苦しい先発陣の台所事情の中で、気迫の投球を見せ続けているのが、九里亜蓮だ。

10月13日の巨人戦で菅野智之投手と投げ合い、見事に6勝目をマークした九里亜蓮投手。

 10月13日の巨人戦(東京ドーム)では開幕13連勝を記録していた菅野智之との投げ合いとなった。初回、一、二塁のピンチを招くも無失点で乗り切ると、2回、4回と味方打線の援護もありリズム良い投球を展開していった。最大のピンチは6回。1死二塁から坂本勇人にタイムリーを浴び1点を失うと、その後満塁に。しかしウィーラー、大城卓三を打ち取り、難局を乗り切った。

「常に最後まで投げたいという気持ちを持ってマウンドに上がっていますし、そこはずっと変わらない気持ちです」

 結果的に8回までマウンドに立ち続け、117球を投げて6安打1失点5奪三振の力投で6勝目。先発として誰にも負けない強い気持ちを持つ男が、見事に球界のエース・菅野に投げ勝った。

 9月以降では7試合に先発して4勝2敗。直近3試合では完封勝利を含めて失点2、自責点はわずか1と安定感を見せている。

「年齢も自分より下の後輩も増えてきているので、なんとか引っ張っていけるような存在になりたいと思っています」

 現在先発陣は8勝を記録するルーキー森下暢仁を筆頭に、遠藤淳志など若手投手の台頭が目立つ。プロ7年目、優勝の味を知る背番号12は、気迫を全面に押し出す投球で先発陣を引っ張っていく。