9月22日の阪神戦で左手有鉤(ゆうこう)骨鉤骨折から復帰したプロ3年目の永井敦士。若手選手が次々と一軍デビューする中、足踏みを続ける自身に歯痒さを感じながらも、二軍で地道にアピールを続けている。

ひたむきにアピールを続ける永井敦士選手

 1ヶ月半の離脱を余儀なくされたアクシデントは8月2日の中日戦で起きた。

「試合の前までは全然何もなかったんですが、第1打席でスイングしたら痛みを感じたんです。でも最初は違う箇所だったので、大丈夫かと思っていたんですが……後日どうしても痛みが引かなかったのでトレーナーに見てもらってすぐ病院にいきました」

 打撃の感触に手応えを感じていた中での骨折だっただけに「やった時は本当にしんどかったし、落ち込みました」と無念の離脱となった。

 約1ヶ月半のリハビリ生活を経て、実戦復帰した9月22日の阪神戦ではヒットをマーク。「感覚は戻っていないし、まだ握力が弱い感じがある」と語るように、決して本調子ではない中で出場を続けるのには理由がある。

「今年こそやってやろうという気持ちでやってきた中でケガをしてしまって。自分が手術をする前日に羽月が一軍に上がったり、その前には同じ外野手の大盛さんも一軍に上がって……ネットのニュースとかでそういう記事が出ると、やっぱりとても悔しいですし、自分自身にイライラします。『自分は何をしているんだ』って」

 昨季まで一軍で共に切磋琢磨したライバルたちが一軍でのアピールに成功する中、自身は未だ一軍出場なし。「良い意味でも悪い意味でも焦りがある」と語るように、置かれた立場を理解しているだけに、例年以上に奮起している。

「結果が全てだという思いを持って、とにかく打っていきたい」 

 ライバルたちからの刺激を糧に、自身も念願の一軍昇格を勝ち取って見せる。