いよいよ目前に迫った2020年のドラフト。未来の主力選手を発掘、指名していく過程の中で、これまでカープはどのような戦略を立てドラフトに臨んできたのだろうか? ここでは今からちょうど10年前、2010年のドラフト指名選手を当時の状況と共に振り返っていく。

3連覇中の胴上げ投手となった中﨑翔太が指名された2010年ドラフト。

 まずなんといっても、この年のドラフトで注目を集めていたのは「早大三羽烏(斎藤佑樹、大石達也、福井優也)」を筆頭とした大学生の実力派投手たち。

 ドラフト当日も各球団ドラフト1位指名選手は、大学生に集中。この年の最多となる6球団から指名を受けたのが早稲田大の大石達也(元西武)。カープも指名したものの、くじ引きの末に西武が交渉権を獲得した。

福井優也投手

 カープは大石の抽選を外すと、同じく早稲田大の福井優也(現楽天)を指名。このドラフトでは甲子園で田中将大(現ヤンキース)との熱戦を演じた斎藤佑樹(日本ハム)もドラフト1位指名されたことで、史上初となる「同一チームからの3投手が1位指名」という出来事が起こったことでも知られている。

 この年カープが指名した選手は、育成ドラフト含め全9名。2010年シーズンは、チーム防御率(4.80)がリーグ5位に終わるなど、“投壊”の様相を呈していただけに、ドラフト5位の磯村を除き、全てが投手という偏りを見せたドラフト結果となった。

中村恭平投手
磯村嘉孝選手

 この年に指名された選手で現在もなお現役選手として活躍しているのは福井優也、中村恭平、磯村嘉孝、中﨑翔太の4名。すでに引退しているが育成契約から一軍登板を果たした池ノ内亮介もこの年のドラフトで指名されたドラフトだった。

中﨑翔太投手

【2010年 カープドラフト指名選手】
1位:福井優也(早稲田大・投手)
2位:中村恭平(富士大・投手)
3位:岩見優輝(大阪ガス・投手)
4位:金丸将也(東海理化・投手)
5位:磯村嘉孝(中京大中京高・捕手)
6位:中﨑翔太(日南学園高・投手)
7位:弦本悠希(四国九州IL徳島・投手)
育成ドラフト1位:山野恭介(明豊高・投手)
育成ドラフト2位:池ノ内亮介(中京学院大・投手)