10月25日のDeNA戦(横浜スタジアム)で6回1失点と先発投手として結果を残した中村祐太。打線が得点を奪えず、自身4連勝は逃したが、安定感のあるピッチングで存在感を示した。

10月25日のDeNA戦で6回3安打1失点の好投を見せた中村祐太投手。自身4連勝とはならなかったが先発投手として粘り強い投球をみせた。

 今季6試合目の先発登板となったこの試合、初回に3安打を集中され1点を先制されたが、2回以降は見違えるような内容を見せつけた。ストライク先行のテンポの良い投球で5回までに5三振を奪うと、6回は1番からの上位打線をわずか8球で三者凡退に。結局、許した走者は初回のみで、6回3安打1失点。四球は一つも許さなかった。

 これで3試合連続のクオリティ・スタート(6回を投げ自責点3以内)を達成。防御率は2.08と安定感を示し、先発ローテの一員として役割を果たしている。カープOBの大野豊氏は、中村の投球についてこう語る。

「初回以外はしっかりと抑えていますよね。序盤を乗り切ってゲームをつくることができれば、今後も先発のチャンスは巡ってくるはずです。彼の持ち味は“独特の間”。投球フォームや球持ちの長さで、打者のタイミングを外すことができているのではないかと思います」

 大野氏が言う通り、課題は初回のピッチングだろう。これまで6度先発し、初回に失点した試合はすべて負け投手となっている。逆に、相手チームに先制を許さなければ白星を挙げているだけに、中村が先発投手として投げていくうえで、立ち上がりの出来が、一つのポイントになりそうだ。

 ドラ1右腕・森下暢仁、高卒3年目・遠藤淳志など、現在のカープ先発投手陣は若い選手が多いだけに、今年25歳を迎えたプロ7年目右腕にかかる期待も大きい。与えられた貴重なチャンスを無駄にせず、背番号67は来季につながる好投を見せていく。