2016年にドラフト4位でカープに入団した坂倉将吾は、プロ1年目の2017年から非凡な才能を随所で見せていた。ただ直球への対応力が課題となり、一軍での出場機会も限られていた。ところが今季は春先から好調をキープし、持ち味である打撃面でも大きなアピールに成功した。

 昨年まで捕手でのスタメンがゼロだった男は、“打てる捕手”として47試合のスタメンマスクを経験。一軍に欠かせない選手へと成長した坂倉が、コロナ禍で揺れた今シーズンを振り返る。

今季、飛躍的に出場数を伸ばした坂倉将吾選手。リード面でも成長の跡を見せた。

◆良い結果も悪い結果も全てを成長の糧にしていきたい

─ 今季スタメンマスクの機会が増える中、打撃面で存在感を発揮されていました。印象に残る一打はありますか?

「一番に頭に浮かぶのはマツダスタジアムでの巨人戦で、大竹(寛)さんから打ったホームランですね(8月23日)。同点の8回に代打で出番をもらって、初球からしっかり振っていくことができました。結果的にこのホームランが決勝点になって巨人に3連勝することができたので、すごく良い打席になったと思っています」

─ 結果的に打撃では昨シーズンから大きく数字を伸ばしました。この結果はどう捉えていますか?

 「昨季から3倍以上の打席に立たせてもらったので、良い結果も悪い結果も全てを成長の糧にしていきたいですね。数多く打席に立つ難しさであったり、できていたことが急にできなくなる難しさであったり、いろんなことを勉強させてもらったので、来年以降に生かしていかないといけないと思います。そんな中でプロ入り最高の数字を残せたことは素直に喜びたいと思っています」

─ 一方で守備面ではいかがですか?

 「守備面は反省ばかりですね……。リードにしても捕球にしても、とにかくミスが多かった記憶しかないです。その中でも、パスボールは防がないといけなかった痛恨のミスです。自分でどうにかできたミスは強く記憶に残っています」

─ その不安を解消するためにシーズン中、心がけていたことはありますか?

「捕手としての基本中の基本ですが、ボールを捕ること、止めることですね。当たり前のことですが、キャッチングの練習を増やして課題解消に取り組みました。とにかく練習でできる限りのことをやって試合に臨む。この繰り返しでしたね。やはり、試合が一番緊張感がありますし、最も良い経験ができる場所だと思うので、そこは無駄にすることなくやってきたつもりです」