社会人出身のプロ5年目、3月28日に28歳の誕生日を迎えたサイドスロー左腕にとって今季が正念場であることは間違いない。

 サイドスローとしての挑戦元年となった昨季は一軍で14試合に登板。前年度から登板数は増加したものの、一軍に定着にあと一歩足りないシーズンを過ごした。

 オフのトレーニングで研鑽を積み「左打者の対角線と、右打者のインコースに投げ切ることをとことん練習してきた」と胸を貼る左腕は、春季キャンプ途中で一軍からの招集を受けた。2月下旬に行われたDeNAとの試合では、一塁へ向かう打者走者と激突するアクシデントにも見舞われたが(記録は守備妨害でアウト)、治療後にマウンドに戻る気迫を見せつけた。

「まだまだ絶対的な評価はされていないと思いますが、少ないチャンスをしっかりとものにしたいと思っています。今季から一軍登録枠も増えますしチャンスはあるはずです。『各球団の左打者を飯田なら抑えてくれる』という信頼をつかむことができれば一軍に残れると思います」

 3月5日の巨人戦では、リーグ屈指の左打者である元チームメートの丸から見逃し三振を奪うなど、一軍生き残りに向けてアピールに成功。貴重な左腕リリーフとして存在感を見せている。

 長年左腕不足に悩まされるカープ投手陣の台所事情。飯田が台頭することにより、チームの戦略バリエーションが増えるだけに、背番号39が見せる“奮投”に注目が集まる。



(広島アスリートマガジン2019年4月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 飯田哲矢(いいだてつや)
1991年3月28日生、神奈川県出身/182cm 80kg/左投左打/投手/プロ5年目・27歳/藤沢翔陵高 - 亜細亜大 - JR東日本(14年ドラフト6位)
【昨季成績】(一軍) 14試合 0勝0敗 13回 16奪三振 防御率6.23