◆期待がかかる左の若きスラッガー

 そこで注目したいのが林晃汰だ。

 182センチ、99キロの恵まれた体格から放たれる打球はスケールの大きさをうかがわせる。今季ここまでは、確実性も兼ね備えた打撃で4本塁打を記録しているが、本来は典型的な「長距離砲タイプ」。後半戦はさらなる量産も期待できるはずだ。

 また、今季は一軍で本塁打ゼロと苦しむアレハンドロ・メヒアの復活も「長打力不足解消」には不可欠だ。カープアカデミー出身の苦労人ドミニカンは2017年に支配下登録されて以降、なかなか本格化できない苦しい時期を送っている。

 今季も開幕から不振で6月7日を最後に二軍暮らし。二軍ではウエスタン・リーグ2位の7本塁打を放っているようにパワーは健在だが、打率.213は物足りない。ポテンシャルは抜群なだけに、来日1年目の助っ人外国人、ケビン・クロンとともに後半戦は大爆発を期待したいところだ。

 また、和製大砲候補で言えば大卒3年目の正隨優弥もポテンシャルは抜群だ。決して器用なタイプではないが3年かけて着実にプロのボールに順応しており、二軍では44試合に出場して打率.288、5本塁打、25打点を記録(7月8日時点)。まだ一軍出場の機会は少ないが、本格化すればクリーンナップを任せることができる期待の長距離砲だ。

 五輪もあり、約3週間の中断期間を設ける異例のシーズンでもある今季。だからこそ、前半戦の戦いをしっかりと検証することもできるはずだ。

 後半戦は、彼ら「長距離砲」の活躍を筆頭に、カープの逆襲に期待したい。