2024年、2025年と本塁打数リーグワーストに終わったカープだが、末包昇大、ファビアンが二桁本塁打を放つなど、今季に向けた明るい兆しも見えている。

 一振りで試合の流れを変え、球場全体を熱狂の渦に巻き込むのがホームラン。ここでは、カープの歴史のなかでも印象的な『本塁打王』たちの偉業を振り返ってみよう。

『ミスター赤ヘル』として愛された山本浩二。2025年のレジェンドゲームでは監督としてチームを率いた

◆広島が生んだスーパースター

 球団史上初、そして4度の本塁打王に輝いたのが、日本球界を代表する長距離砲で高い出塁率を誇った「ミスター赤ヘル」こと山本浩二だ(1969-1986)。1975年に首位打者を獲得し、初のシーズン30本塁打を記録。初の本塁打王のタイトルは44本塁打を放ったプロ10年目の1978年。さらに1980年にも同じく44本、翌1981年は43本で本塁打王のタイトルをつかんだ。カープ一筋18年間で放った通算536本塁打はNPB歴代4位で、1977年から1983年は5年連続で40本塁打以上をマーク。現役最終年となった1986年にも27本塁打を記録するなど、最後まで赤ヘル打線の4番に君臨した。

●山本浩二(やまもと・こうじ)
1945年10月25日生、広島県出身。廿日市高-法政大-1968ドラフト1位-広島(1969-1986)
【生涯成績】打率.290、2339安打、536本塁打、231盗塁

◆アタリかハズレか、期待度抜群!

 山本浩二引退後の大砲として期待されて来日したのが、ランス(リック・ランセロッティ、1987-1988)。1年目の1987年は、阪神のランディ・バースと中日の落合博満が三冠王を争うだろうという大方の予測を覆し、豪快なスイングで39本塁打を放って本塁打王のに輝いた。ただし、403打数88安打での打率.218は規定打席に達した選手の中でワースト。三振もリーグワーストの114を喫しており、ホームランか三振かという極端な成績は、当時の人気CMから「ランスにゴン」と揶揄された。

●ランス(リック・ランセロッティ)
1956年7月5日生、米ロードアイランド州出身。1977年MLBドラフト11巡目-パドレス(1982)-ジャイアンツ(1986)-広島(1987-88)-レッドソックス(1990)
【NPB成績】打率.207、138安打、58本塁打、1盗塁

◆美しい放物線を放つアーチスト

 1990年代、他球団に脅威を与えたビッグレッドマシン打線で4番を張った大砲が江藤智(1989-2005)だ。1993年に34本塁打、82打点をマークして初の本塁打王に輝いた。翌1994年8月には月間16本塁打を放ち、当時の月間本塁打の日本タイ記録を達成した。1995年には39本で2度目の本塁打王と、打点王(106点)との二冠を獲得。美しい放物線を描きながらスタンドインする打球に「天性のアーチスト」と称えられた。

●江藤 智(えとう・あきら)
1970年4月15日生、東京都出身。関東高-1988年ドラフト5位-広島(1989-1999)-巨人(2000-2005)-西武(2006-2009)
【生涯成績】打率.268、1559安打、364本塁打、82盗塁