◆果たして本当にプロに行けるのか……不安を抱いた社会人2年目

 営業マンである以上、しゃべれなければ仕事にはならないが、田舎の高校を出たばかりで世間の事を何も知らない私が、会社の社長や重役、部長など社会を知り尽くした年輩の人達を相手にセールストークをするというのはとても大変な事であった。飛び込みで営業して契約が取れるほど、世間はそんなに甘くはなかった。 

 会社では午前中営業をして、午後から野球部の練習に臨むという毎日を過ごしていた。ただデュプロという会社は、当時は球場やグラウンドなどの専用の練習場がなかった。そのため野球部は伊丹市(兵庫県)のスポーツセンターや、枚方市スポーツセンターのグラウンドを借りて、グラウンドまで車や電車で移動して練習していた。その練習も仕事の忙しい時はなかなかできなかった。

 社会人の1年目があっという間に終わり、「果たして俺は本当にプロに行けるんだろうか」と私はいつしか思うようになって、2年目の夏、確かお盆の頃だと思うが、上司に車を借りて大阪から鳥取の実家へ帰った。

 そして父と母には相談しなかったのだが、高校の監督の友人で、私も相談相手になってもらっていたスポーツ用品店の社長に「もう(野球を)辞めようかな」と相談してみた。するとその社長はこう言った。

「実は俺の先輩が、広島東洋カープのコーチをやっているんだ」

(第3回へ続く)

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