「クラブを取り巻く環境は大きく変わった」。そう話すのは、サンフレッチェ広島が誇る3バックの一角、塩谷司だ。海外クラブでのプレー経験も経たベテランDFが感じる『変化』とは。新スタジアム効果だけではない、その要因を塩谷が語る。(第2回/全3回)

守備だけでなく、攻撃のスイッチを入れる縦パスの精度にも定評がある塩谷

◆前回の決勝敗退から8年、身をもって感じた決勝進出の難しさ

ー『最年長として意識していることは特にない』ということでしたが、以前、大迫敬介選手から、塩谷選手の声掛けで選手ミーティングを開催したことがあると伺いました。

「覚えています、2025年のルヴァンカップ決勝直前ですね。当時はチームとしてあまりうまくいっていなかった時期でもあり、一度みんなで話をする時間を取れたらと思って声を掛けました」

ー改めて、どのようなお話をされたのでしょうか。

「自分の経験に基づく話をさせてもらったと記憶しています。僕が最初に広島に在籍していた2014年のルヴァンカップで、チームは決勝まで進出したもののG大阪に負けてタイトルを逃しました。当時は僕も若かったので、『またルヴァン杯の決勝に進むチャンスは回ってくるだろう。今回は負けてしまったけど、次は絶対優勝するぞ』くらいの気持ちでいたんです。ただ、海外でプレーする期間を挟んだということもありますが、次にルヴァン杯の決勝に進むことができたのは2022年でした」

ー実に8年のスパンが空いたわけですね。

「僕自身、決勝の舞台に戻るまでには結構時間がかかったという思いがありました。サッカーはチームスポーツですから、自分ひとりで試合の結果を左右することはほとんどありません。若い選手からすれば『またチャンスはある』と感じるかもしれませんが、『俺もそう思っていたけど、結局(初めてルヴァンの)タイトルが取れたのは2022年だったぞ』と。選手である以上、もしかするとケガをしてしまうかも知れませんし、予期せぬ故障で引退するかも知れない。これが決勝に臨む最後のチャンスかも知れない。だからこそ『絶対に勝ち取るんだ』と、改めて全員で目線を合わせなければいけない。そんな話をさせてもらいました」