いよいよ大野練習場での合同自主トレをスタートさせたカープのルーキーたち。この企画では、ドラフト指名後に行った独占インタビューをもとに、佐々岡監督のもと3年ぶりのリーグ優勝を目指すチームに加わった新入団選手の決意を紹介していく。今回は、将来のエース候補として期待がかかる、ドラフト4位・小林樹斗投手の意気込みをお届けする。

ドラフト4位でカープに入団した智弁和歌山高・小林樹斗投手。150kmを超える直球、多彩な変化球を操る本格派右腕として期待が高まる。

◆イチロー氏からの激励『プロでの姿を見ているから頑張れ』

 カープの担当スカウトが「上位で指名されると思っていたので、4位で指名できるとは思っていなかった」と驚くほど、高校生投手の中でも屈指の実力を持っていると評価されていた小林樹斗。将来のエース候補としても期待される右腕が、高校時代と同じ赤いユニフォームに袖を通し、プロでの生活をスタートさせる。

「順位は関係なく、とにかくプロの世界に入りたかったので、名前が呼ばれた時はホッとしました。周りからは『いい球団に指名されたね』と言っていただけましたし、中谷監督からは『ここからが本当の勝負だから、もう一度、気持ちを引き締めてがんばらんとあかんぞ』と激励していただきました」

 プロ入りが決まった昨年12月には、元大リーガーのイチロー氏から直々にエールをおくられた。

「イチローさんが高校に3日間指導に来てくださり、そこで、2人で話をさせていただく時間がありました。また、ブルペンでの投球練習では、イチローさんが打席に立ち、全ての球種を見てくださいました。『プロでの姿をずっと見ているから頑張れ』と言ってくださったので、早くいいニュースを届けたいですね」

 150kmを超えるストレートを軸に、6種類の変化球を操る本格派。持ち味であるキレのあるストレートを中心に、打者の反応を見ながら、変化球を投げ分けていくのが小林が高校時代に確立した投球スタイルだ。

「プロでは先発とリリーフ、どちらを任されてもチームの勝利を第一に考えて投げていきたいです。常に勝利に貢献できる投手でありたいと思っています」

 目標にするのは、高校2年の夏の甲子園で投げ合った奥川恭伸(ヤクルト)。当時、超高校級右腕として全国から注目を集めていた奥川との投げ合いを経験し、これまで以上に“プロへの想い”を強くした。衝撃を受けた奥川に追いつき、追い越せるように、プロでも鍛錬を重ねていく。

「1年目から一軍のマウンドに1試合でも多く立つことが目標です。プロは結果の世界。少しでも早く結果を残せるように、いい準備をしてきました」

大舞台での経験も豊富な小林が、カープでどんな輝きを放ってくれるか、今から楽しみだ。

◆小林樹斗(こばやし たつと)
2003年1月16日生
17歳/右投右打
182cm・86kg
智弁和歌山高