東京出身ながら旧広島市民球場にも足を運ぶなど、内藤哲也選手のカープ愛は本物だ。いつしか、その想いは周囲を動かし、2018年シーズンからは自身の入場テーマ曲がチャンステーマ(『攻めろ!』)として使用されるようになった。もちろんマツダスタジアムのビジョンに流される『それ行けカープ<著名カープファン・リレー映像>』にも出演。ここでは制御不能な男の、ほとばしるカープ愛を、『広島アスリートマガジン2021年1月号』未掲載分も含めてお届けします!

マツダスタジアムをバックにお馴染みのポーズを決める内藤選手。

◆旧広島市民球場最後の試合も現地で生観戦

─ 旧広島市民球場にも何度か観戦に行かれたそうですね。

 「東京ドーム、神宮球場、当時の西武球場によく行っていたんですけど、それらの球場と比べても『こんなに古い球場があるのか』とビックリしましたね。でも観客席の熱はテレビで見たままでした。広島の人たちはやっぱりカープのことが好きなんだな、愛されているんだなって感じるくらい応援の熱さが印象的でした。ちなみに初観戦は一人で行ったんですけど、そのときは少し恥ずかしくてスクワット応援はできなかったです(笑)」

─ その後も何度か行かれたのですか?

 「そうですね。2008年9月の旧市民球場最後の試合(ヤクルト戦)も見に行きました。このときも一人で行ったんですけど、そのときスクワット応援は……恥ずかしながらやりましたね(笑)」

― 2008年シーズンは4位で惜しくもクライマックス・シリーズ進出はなりませんでした。

「そう、4位だったんですよね。でも、栗原(健太)選手のホームランや前田(健太)投手の好投など、すごく良い試合でしたよね」

─ 貴重な試合を多く観戦されていますが、特に印象に残っている試合は何ですか?

 「見に行ってない試合だと、2017年の七夕に新井(貴浩)さんのホームランで大逆転した神宮の試合ですね。あの日、行こうかどうか迷っていたんですよ。で、結局行かなかったんですけど、逆転のカープの真骨頂というか、あれを生で見ていたらめちゃくちゃ興奮したでしょうね。行かなかった理由はちょっと覚えてないんですけど、それこそあのときの自分に言いたいですよ、『この日は何がなんでも神宮球場へ行け!』って(笑)。見に行った試合で印象に残っているのは、2016年の日本シリーズ第6戦。レアード選手に満塁ホームランを打たれて負けた試合です。ものすごく悔しくて最後の最後までオレは席を立ちませんでした。別に選手でもないくせに、なんか『この悔しさを絶対に忘れちゃダメだ』って思って、最後まで座って胴上げやセレモニーを見ていました」