カープは2月1日から沖縄(一軍)、日南(二軍)で春季キャンプを開始。なおNPBの斉藤惇コミッショナーが、万全の感染対策を施した上でオープン戦、公式戦(143試合)の開催に強い意欲を示した。

 1月25日、日本野球機構(NPB)とJリーグが合同で立ち上げた『新型コロナウイルス対策連絡会議』がオンライン上で行われた。昨年3月3日に第1回が開催され、その後もNPBの斉藤惇コミッショナー、Jリーグの村井満チェアマンに専門家チームを交える形で隔週ペースで会議を継続。第24回となる今回もキャンプ中の対応、ワクチン接種の時期などについての議論が重ねられた。

 今年は緊急事態宣言発令中(11都府県)ということもあり、プロ野球、Jリーグともに厳戒体制を敷いた上でのキャンプ開催となる。すでに沖縄県や宮崎県で行われるキャンプは、地元自治体の要請を受けて無観客での実施が決定。専門家チームからは『感染状況』『イギリス、南アフリカにおける変異株』『自宅療養時の対応』などの説明がなされた。

 マスコミとの質疑応答でワクチンに関する見解を求められた専門家チームの東北大・賀来満夫氏は「(接種時期は)2月後半から医療従事者、恒例の方々、一般の国民の方々となっていきますので、打つのは4月か5月以降。シーズン中での接種になるので、試合の何日前に打てば良いのかというのが今後の議論になると思います」と説明。また同じ専門家チームの愛知医大・三鴨広繁氏からは、「接種直後のアナフィラキシー反応、全身倦怠感が10~20%程度出ることが論文報告されていることもあり、前日の接種は避けてもらいたい」との提言がなされた。

 三鴨氏は続けて「プロ野球、Jリーグにかかわらず、選手以外のスタッフも含めて全員が1週間に一度、PCR検査を行います」とコメント。スコアラーの他球団視察やメディア取材についても、専門家の視点からさまざまな条件を提示することになるという。

 また「万が一、クラスターが発生した場合はキャンプの中止ということも考えていかなければならない」という専門家チームの東邦大・舘田一博氏のコメントを受けて、斉藤コミッショナーは「中断、中止も十分頭に入れた準備をしておきたい」と、事前想定を約束。感染状況に応じて専門家チームの意見、自治体の意向などを取り入れながら総合的に判断する方針が示された。