◆最多勝投手を変えた黒田博樹からの影響
─ 先発陣について聞きたいのですが、今季は野村祐輔投手が飛躍的に成績を向上させました。
「投球フォームが変わった部分もありますし、祐輔自身も開幕から良いスタートが切れて勝ち星が先行したことによって、キャンプでやってきたことが間違っていなかったと自信になったと思います。彼は黒田さんと話をしている場面もよく見ますし、黒田さんの影響をかなり受けていると感じますね。捕手としての立場から言えば、先発には毎試合ゲームをつくってほしいという思いがあるので、これからクライマックス・シリーズもありますし、もうひとつ踏ん張って頑張ってほしいと思います」
─ 石原選手と抜群の相性を見せるK.ジョンソン投手ですが、今季に関してはいかがですか?
「相手も研究して対策を練っていますし、途中なかなか勝ち星に恵まれなかった時期もありました。そんななかでも試合をつくって、ゲームを壊したことはほとんどないと思います。攻め方に関しても黒田さんと同じく臨機応変に対応して組み立てています」
─ 守護神として定着した中﨑翔太投手ですが、成長を感じる部分はありますか?
「今季に関して言えば、より自分の球に自信を持って投げ込んでくれていると思いますし、ランナーを出してもバタバタせず落ち着いて投げていますね。彼はまだ若いですが、あの顔とあの体型を見て分かるように、だいぶ貫禄が出てきたと思います(笑)。ピンチでも落ち着いて試合中も最低限のことを話すくらいでしたし、受けていて安心感がありました」
─ 石原選手ご自身のことでは、8月2日のヤクルト戦(神宮)では、バレンティン選手のバットが後頭部を直撃するアクシデントもありました。
「打者のバットに当たる経験自体はこれまでもあったのですが、あの時の衝撃はこれまでと比較にならないもので、当たった瞬間は記憶が飛んでいました。幸い意識はすぐに戻りましたけどね。翌日から体調には問題はなかったのですが、今季から採用された脳しんとう特例処置で一時的な処置をとるということで、チームを離れなければいけませんでした」
─ 離脱してどのような思いがありましたか?
「試合はテレビで見ていましたし、チームを離れている悔しさがありました。プレーのなかでの突発的な負傷とはいえ、チームに迷惑をかけてしまい申し訳ない思いしかありませんでした」
─ 8月9日に再び一軍登録され、一軍に戻ってきた際には、ファンからの大きな声援が印象的でした。
「その声援には僕も気づきましたし、とてもうれしかったです。ファンの方々にはああいう形で声援をいただいて改めて感謝しています。その感謝を返すには試合で勝利することだと思って、あれからさらに気を引き締めてプレーできていると思います」