─佐々岡監督は監督就任までに、コーチを5年間経験されました。指導者としての5年間は、佐々岡監督にとってどんな期間だったと言えますか?

 「まずファームで4年間投手コーチを経験させてもらいましたが、その4年間というのはすごく貴重な時間でした。自分自身現役時代も含めて、あまりファームという現場を知らない中でスタートしました。ですが若い選手たちと一緒に汗を流して指導してきたというのは自分としても大きな事でした。そして今季は一軍コーチとして育成から勝負というところに重きを置く場所を経験できました。今季は一軍投手コーチとして一軍の野球を見ながら、ベンチの中から野手の攻撃も見ることができました。そういう意味でもこの1年間というのも非常に大きな経験になりました」


─改めて理想とする監督像を聞かせてください。
 
「まだ、そこまで具体的な理想像はありませんが、当然初めて監督をやる中でコーチ陣、特に野手面に関しては助けてもらいながら攻撃面を考えてやっていきたいですね。選手、コーチ、裏方さんとすべてが一つになって戦えるチームをつくれる監督でありたいです」


─では、理想とするチームをどう描いておられますか?

「投手は投手、野手は野手、ではなく、投手も野手もお互いに助け合いです。投手が打たれていれば野手が助ける、野手がエラーすれば投手が助ける気持ちを持つ。そういう良い雰囲気のチームにしていきたいですね。3連覇がありましたが、黒田(博樹)、新井(貴浩)が帰ってきて、投手は黒田、野手は新井がしっかりとそれぞれをまとめてくれて強くなったのが今のチームでもあります。引き続きそういうチームでありたいですし、それ以上のまとまりがあるチームをつくっていきたいですね」


佐々岡真司(ささおかしんじ)
1967年8月26日生、島根県出身。89年ドラフト1位で広島入団。
1年目から13勝17セーブを記録すると、2年目には17勝をマークし、最多勝、沢村賞を受賞するなどリーグ優勝に大きく貢献してMVPに輝く。その後はチーム事情からストッパーとしても投手陣を支えた。99年にはノーヒットノーランを達成。06年には先発100勝100セーブの大記録を達成し、07年限りで現役引退。プロ野球解説者を経て、15年に二軍投手コーチとして広島復帰。18年に一軍投手コーチに就任し、19年10月7日に広島一軍監督就任が発表された。