◆大盛穂のブレイクでイメージを一新

 以後も『124』は育成選手に与えられている。2012年に育成ドラフト1位で入団した辻空は速球派の先発右腕として期待され、2016年に支配下登録を勝ち取った。だが支配下で中﨑翔太から『56』を受け継いだものの、思うような結果を残せず、2018年オフに戦力外となった。

 続いて『124』を背負ったのは、2018年育成ドラフト1位の大盛穂。2019年には二軍でチームトップの出場数を記録し、シーズン後には支配下登録を獲得。背番号は『59』となり、カープの育成出身選手としては中谷翼以来10年ぶりの安打を記録するなど手応えを掴んだ。昨季は一軍で73試合に出場し、スタメン出場も急増。カープの育成選手史上で、もっともブレイクした選手として、さらなる飛躍が期待されている。

 現在『124』をつけているのは、2019年育成ドラフト2位の木下元秀だ。名門・敦賀気比高から入団し、現在は全打席で本塁打を狙う未来の大砲候補。昨季はウエスタン・リーグでチーム2位の本塁打(7本)、打点(26)を記録するなど、虎視眈々と支配下登録を狙っている。

 「大盛(穂)さんの背番号を受け継いでいますし、僕も支配下選手になって124番が出世番号と呼ばれるようになったらうれしいですね。大盛さんはもちろん、藤井(黎來)さんも支配下になって刺激をいただきましたし、頑張れば支配下になれるという気持ちで練習に取り組んでいます」

 木下がこう語るように『124』は、もはや育成の出世番号のイメージが定着しつつある“希望の番号”と言えそうだ。