26日、『NPB 12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025』が、明治神宮野球場と横浜スタジアムで開幕。29日に決勝戦を迎え、福岡ソフトバンクホークスジュニア対阪神タイガースジュニアの一戦は、阪神タイガースジュニアが6対4で3年ぶり2度目の優勝を果たした。
昨年から、NPB12球団に加え、ジュニアトーナメントにInvitation枠として『くふうハヤテジュニア』、『新潟アルビレックスジュニア』、『四国アイランドリーグPlusジュニア』と並び、『ルートインBCリーグジュニア』が組織されたが、今年からは4チームが正規の参加チームとしてジュニアトーナメントへ参加している。
ルートインBCリーグジュニアの初戦の相手は、大会最多4度の優勝を誇る中日ドラゴンズジュニア。先発の橳嶋凛太郎が序盤3回をパーフェクトに抑えるなど、中盤まで互角の勝負を展開したが、終盤に突き放され0対7で敗れた。
続く埼玉西武ライオンズジュニアとの第2戦は、初回に押し出し四球で先制するも、4回に重盗をきっかけに逆転を許し、1対4で惜敗。
最終3戦目は、2連勝で早々に準決勝進出を決めていた東京ヤクルトスワローズジュニアと対戦。初回に前川達翔の適時打で先制し、2回に逆転を許すも、その裏にすぐさま再び逆転。3対2と試合を優位に進めると、二塁・竹村光生、遊撃・伊沢空心の二遊間を中心に堅守で投手陣を盛り立て、東京ヤクルトスワローズジュニアの反撃を退けた。
ルートインBCリーグジュニアはグループリーグ1勝2敗で敗退となったが、随所にレベルの高いプレーが見られ、上位チームとの技術的な差はわずかであったといえるだろう。
初戦の先発に抜擢された橳嶋は、110キロ台の直球にスローボールやクイックモーションを織り交ぜ、打者のタイミングを外す技巧的な投球を披露。変則的な投球内容でもフォームや制球が乱れず、打者が手を焼いていたのが印象的だ。
今大会は、橳嶋のような技巧派投手の活躍も目立っている。過去には、アンダーハンドの投手兼内野手として大活躍した阪神タイガースジュニアの辻琉沙(2025年U18日本代表)の例も記憶に新しい。
球数制限の導入により、多くの投手を揃える必要があることも相まって、初見での対応が難しい技巧派や変則フォームの投手は、今後も重宝される可能性が高いだろう。
一方で、選手選考のあり方も進化している。選考時にデータ測定を行い、定量的な数値を元に合否を判断するチームが増えている。限られた回数のトライアウトだけで選手の正確な実力を推し量ることは難しいため、能力を可視化する定量データが選考の大きな助けになることは想像に難くない。
開催20回を超え、数多くのスター選手を輩出してきた本大会だが、選考や戦略の進化とともに、今後より一層ハイレベルな戦いが繰り広げられていくはずだ。

