◆稲垣祥が値千金の勝ち越しゴール

背番号と同じ14回の胴上げを受け、喜びの表情を浮かべるミキッチ。3度の優勝に大きく貢献した。

 シーズンを象徴する試合が、前述のホーム最終戦だ。サンフレッチェがFC東京に勝利し、同日に試合を行なっている甲府が引き分け、あるいは敗戦となればJ1残留が決まるという大一番。エディオンスタジアム広島にはシーズン最多となる2万2333人のサポーター(サンフレッチェファミリー)が詰めかけた。

 1トップにアンデルソン・ロペス。トップ下にフェリペ・シウバ、柴﨑晃誠、柏好文。ボランチに青山敏弘、稲垣祥。DFに椋原健太、千葉和彦、水本裕貴、高橋壮也。GKに林卓人の布陣で臨んだサンフレッチェは、まずは柴﨑のゴールで先制。後半14分に同点ゴールを奪われたものの、66分に稲垣が値千金の勝ち越しゴールを叩き込んだ。

 FC東京を2対1で下したサンフレッチェが、甲府の結果(引き分け)を受けて崖っぷちでJ1に踏みとどまった。外国人選手では最長となる9年間をサンフレッチェで過ごしたミハエル・ミキッチの退団セレモニーも相まって、2017年の第33節はいまだ印象に残る一戦として語り継がれている。