サンフレッチェ広島が今季より2018年シーズン以来となる『4バック』を採用している。ここでは2回にわたってヤン・ヨンソン監督、城福浩監督が率いた“4バック時代”の2シーズンを振り返る。

FC東京に勝利後、J1残留を争っていた甲府の引き分けを聞き、喜ぶサンフレッチェの選手たち。

 近年でサンフレッチェが『4-2-3-1』を採用したのは、いまだ記憶にも新しい2017年シーズンだ。開幕当初は森保一監督の指揮のもと、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督時代から継続してきた『3-4-2-1』で戦っていたが、攻守ともに崩壊し前半戦を終えた時点で2勝4分11敗(17位)と大失速。責任を取る形で森保監督が退任を表明した。

 退任からわずか6日後に発表されたのは、かつてサンフレッチェでもプレーしたヤン・ヨンソン氏の監督就任。佐藤寿人や塩谷司の移籍、森﨑浩司の引退などで揺れていたチームに、フォーメーション変更という新風を吹き込んだ。

 完全に息を吹き返したとは言えないものの、4バック変更後は6勝5分6敗と5割をキープしたサンフレッチェ。ホーム最終戦(第33節)まで続いた過酷な残留争いを、首の皮一枚で乗り切った。