全打席フルスイングがモットーの木下元秀が、一日も早い支配下登録を目指し連日、バットを振り込んでいる。昨季は二軍で、チーム内では林晃汰に次ぐ本塁打をマーク。未来のカープを支える長距離砲が、プロ2年目に懸ける思いを激白する。

プロ1年目の昨季は、ウエスタン・リーグでチーム2位の本塁打を記録した木下元秀選手。

◆正直、今でもマウンドに立って投げてみたいです

——キャンプ前のオフには吉田正尚選手(オリックス)らと合同自主トレを共にされました。相当、刺激になったようですね。

「僕が目指している人が目の前で練習されていたので、目標がはっきり見えたというか。どれくらいのレベルになれば一軍でも打てるというのが、だんだんハッキリと見えてきたので、そこは良かったと思います」

——同じく敦賀気比高出身の西川龍馬選手が、二軍スタートとなりました。何かお話はされましたか?

「野球の話はあまりしていません。話すとしたら高校の話でした。懐かしい話を(笑)。でもバッティングは見ています。人によってタイプも違いますしバットの振り方も違うんですけど、僕もいろいろな引き出しを持ちたいので、いろんな人のバッティング、体の使い方は見させてもらっていました」

——ちなみに大阪出身の木下選手が敦賀気比高に進学した経緯を教えてください。

「僕が中学2年くらいだったと思うんですけど、大阪桐蔭高と敦賀気比高がすごい打ち合いをした試合があったじゃないですか(2014年8月24日、15対9で大阪桐蔭高が勝利)。僕は大阪出身なので大阪桐蔭高がめっちゃ強いというのは分かっていたんですけど、敦賀気比高のことはまったく知らなくて。その大阪桐蔭高に対してむっちゃ良い試合をしていたので、そこからちょっと気になり始めたんです。推薦で良いから敦賀気比高に掛かればなと思っているときに監督が見に来てくれたので、その流れで進学することになりました」

——高校2年のときヒジを痛めて、投手から外野手に転向したときの気持ちはどうでしたか?

「投手をやりたいという気持ちがめっちゃあったので、残念な気持ちはありました。高校2年のときに背番号1を付けて投げさせてもらって、『来年の夏にまた甲子園に戻りたい』と思っていたので、それを叶えることができなくて悔しかったです。正直、今でも投手をやりたいんです。マウンドに立って投げてみたいですね」

◆今年も貫く全打席ホームラン狙い

——プロを意識し始めたのは、いつ頃ですか?

「本格的には高校2年くらいですかね。中学のときから『プロ野球選手になりたい』とは言っていましたけど」

——その頃は、まさか打者として入るとは思っていなかったでしょうね。

「まったく思っていなかったです(笑)」

——その選手が今では全打席で本塁打を狙っているというのが面白いですね。

「そうですね。投手をやるつもりだったので面白いです(笑)」

——昨年は元育成の大盛穂選手らの活躍もありましたが、改めて今季に向けての意気込みをお願いします。

「合同自主トレのときに吉田選手や西川(遥輝・日本ハム)選手と約束をしたんです。今年中に支配下登録されて一軍で初ヒットを打つと。支配下登録されないと一軍には絶対に上がれないので、まずはそこですね。絶対に達成したいと思います。あと二軍では3割30本が目標なんですけど、そうですね……ちょっと大きく40本にしておきますか(笑)」

——今年も全打席で本塁打を狙うスタイルは貫くんですよね?

「もちろんです。狙うのはホームランだけです。追い込まれるまではライト、センター。追い込まれたらレフトに放り込むというイメージは変えません!」