背番号は時に選手の代名詞として語られるなど、アスリートにとって大きな意味を持つことも少なくない。ここではカープの選手に特化し、時代を彩った名選手の足跡を背番号と共に振り返る。

日本人投手として初めて、先発勝利数のみで日米通算200勝を達成した黒田博樹氏。

 現在、カープの背番号で永久欠番になっているのは『3』『8』『15』の3つのみ。あえて説明すると、順番に衣笠祥雄、山本浩二、そして黒田博樹が背負った番号だ。今回はそのうち、黒田が1997年から2007年まで、そして2015年から2016年に使用した『15』を取り上げる。

 黒田は1996年ドラフト2位で入団。ルーキーイヤーの4月25日には巨人戦で初登板、初先発、初勝利、初完投をマークして話題を呼ぶと、この年は規定投球回にも到達した。その後は徐々に力をつけ、2001年に初の二桁勝利を収めると、翌年も二桁勝利。2003年は初の開幕投手も務めた。

 2005年には最多勝利のタイトルを獲得。2007年まで5年連続で開幕投手を務めるなど、球界を代表する投手に成長すると、2007年オフにメジャー挑戦を表明。ロサンゼルス・ドジャースを皮切りにニューヨーク・ヤンキースでも主力投手として活躍し、メジャー7年間で79勝をマークした。

 2014年オフにはメジャー数球団から20億円超とも言われる破格のオファーを提示されたものの、古巣のカープへの復帰を表明。新井貴浩との同時復帰となりカープファンを熱狂させた。2016年には日米通算200勝を達成。カープの25年ぶりのリーグ優勝の立役者となった。しかし、この年限りでの引退を表明。数々の功績を称え、彼の背番号『15』は永久欠番となった。