プロ野球に限らず、今やあらゆるスポーツ観戦の際の必須アイテムとなった感のあるユニホーム。70年を超える歴史を持つカープでも、これまでさまざまなユニホームが誕生している。ここではチームと共に歩んできた“珠玉の一着”の歴史を、箸休め的に振り返る。

最近ではシーズン限定の特別ユニも登場。観戦する上での新たな楽しみとなっている。

<グレー>
「戦後の広島の街に元気をもたらす存在を」との気運から、1950年(昭和25年)に誕生したカープ。その球団創設時に選手が着用していたのはグレーのユニホームだ。

 当時はまだホーム&ビジター制が確立されていなかったため、このグレーのものが第1号として使われている。しかし同年にピンストライプの入ったユニホームが完成すると、グレーのユニホームは次第にビジター中心で着用されるようになった。

 この初代ユニホームから現在の形に至るまで、カープのユニホームは実に20回以上の変更を重ねることになる。

<赤の始まり>
 ユニホームの画期的な変化と言えば、初優勝した1975年に帽子が従来の紺色から赤に変化したことだ。3年連続最下位に沈んでいたカープの低迷打開の切り札として招聘したジョー・ルーツ監督が、勝利への情熱をチームに植え付ける意識改革を断行。そのルーツの熱い闘志が帽子に反映され、燃えるような赤へと色が変更された。

 以後、この赤がチームカラーとして定着したことを思えば、まさに革命的な出来事。この1975年に赤に変更されたのは帽子とシャツのラインのみだったが、1977年からアンダーシャツ、ストッキングも赤となった。