お笑い芸人として活躍中のザ・ギース尾関高文氏の本連載。これまでカープに在籍した歴代外国人選手を、時には厳しく、時には優しく、時にはユーモアを交えながら、尾関氏ならではの視点で紹介していきます。今回は、2015年にカープに在籍。カープ史上最もキューティな助っ人として愛されたザガースキー選手について語っていただきます。

恵方巻きを頬張った翌日に起こったアクシデント

 

 僕が初めてザガースキーに出会ったのは2015年の日南キャンプのことでした。取材で行った日南のピッチャー練習場で、誰よりも丸身を帯びたフォルムで、元気にバント処理の練習をしていたのを今でもはっきりと覚えています。

 前田健太投手や中田廉投手らと談笑しながら練習に溶け込むザガースキーは昔からのチームメイトのようでもありました。しかし練習が始まって数分経った頃、信じられない光景を目の当たりにします。

 軽いダッシュを行っているとき、急にザガースキーが倒れ込んだのです。どうやら捻挫をした様子でした。トレーナーに抱えられて練習場から去っていく悲しげな後ろ姿。前日マスコミの前で恵方巻きを頬張ったばかりでしたが、このアクシデントにより、ザガースキーのキャンプ前半は幕を閉じたのでした。

 NPB史上最も可愛いと言われた助っ人と言われたザガースキーがカープと契約したのは2014年。クルクルの金髪にスラィリーよりもマスコット感のあるいでたち、野球選手とは思えないその姿に全国のカープファンはすぐ虜になりました。また、2015年シーズンは黒田博樹投手が電撃復帰した年でもあります。中継ぎとしてザガースキーが活躍してくれたらカープの優勝も見えてくる、そう言った中での“電撃捻挫”ということもあり、誰もが危うい匂いを感じていました。

 しかしザガースキーはほどほどの活躍を見せます。中継ぎとしてゆるゆると結果を残し続けると、その天性のキャラクターで頭角を表してくるのでした。