開幕戦で痛恨の逆転負けを喫したものの、カード一回り目までは貯金2の好成績で乗り切ったカープ。だが、以降は打線のつながりを欠く試合も増え、一進一退の状態が続いている。ここではまずまずの滑り出しを見せたカード一回り目までの戦いぶりを、カープOBの笘篠賢治氏が独自の目線で分析する。

足を使える選手も多く一軍登録されているカープ。今後は足も絡めた攻めで得点力の向上を図りたいところだ。

 セ・リーグ5球団との対戦が一回りした、4月11日までの15試合までを振り返ってみましょう。ひと回りの時点での成績は8勝6敗1分(4月24日現在、11勝12敗2分)。開幕ダッシュとまではいきませんが、貯金2とまずまずの滑り出しを見せました。

 もちろん開幕戦の逆転負けや、4点取った直後に4点を取り返された4月8日のヤクルト戦など少しもったいない試合もありましたが、全体的には良い戦いをしているのではないかと思います。「今年のカープはちょっと手強いぞ」というものを見せられた序盤の15試合だったのではないでしょうか。

 ただ順調とはいえ、まだカード3連勝は達成できていません。基本的にはカード3戦目の先発ローテーション投手に、結果が出ていないというのが現状です。改めて同一カード3連勝の難しさを感じます。

 打撃陣に目を向ければ、全般的に大量点を奪って勝利するということができていません。リリーフを含めた投手陣の頑張りで僅差のゲームをモノにできていることは良いことですが、もう少し打線の援護がほしいところです。投手は延長戦のない9イニング制の中で形ができつつありますが、打線はまだ本調子とは言えないでしょう。

 これは全体的に言えることですけど、今年は両リーグの各チームとも1点を確実に取る野球を目指しているように感じます。例えば4月15日の時点で西武だけが21盗塁をマークしていますが、カープはDeNAに次いで少ない8盗塁(4月24日現在で、西武は26盗塁。カープは12盗塁でリーグ5位)。チーム初盗塁を決めたのが10試合目(4月6日、ヤクルト戦)と12球団で一番遅かったですし、走塁面では少し寂しい数字を刻んでいます。