8月5日に開幕した、第107回全国高等学校野球選手権大会。今年も予選を勝ち抜いた高校球児たちが、甲子園球場を舞台に白熱した試合を繰り広げている。ここでは、カープ選手が高校時代について語ったインタビュー再編集してお届けする。
今回は、西東京の名門・日大三高出身の坂倉将吾。甲子園出場経験こそないものの、強豪校で過ごした3年間から坂倉は得たものとは。
◆甲子園出場以上に、大きなものを得ることができた3年間
ー坂倉選手が日大三高に進学した理由を教えてください。
「日大三高が甲子園に出場した試合を、小さい頃にテレビで見ていたこともあり、ぼんやりと憧れがありました。また、高校を決める際、監督さんや部長さんと話をさせてもらい、ここで野球がしたいと素直に思ったので選びました」
ー名門校ゆえに辛く厳しい練習も多かったのではないでしょうか?
「そうですね(苦笑)。日大三高は冬合宿の厳しさが有名ですが、言われている通り、かなりきつかったです。僕は2年生のときはケガをしていて冬合宿の練習に参加できなかったのですが、周りから見ていても練習のキツさはひしひしと感じていました。朝は5時くらいに起きて、寝るのは23時頃です。毎日の睡眠時間は6時間あるかないかでした(苦笑)」
ーでは、高校時代で一番印象に残っている試合を教えてください。
「一番はやっぱり3年生のときの夏の大会初戦。佼成学園高との試合です」
ー日大三高が5点を先制するも、6回に佼成学園高が8点を奪い逆転。3点ビハインドで迎えた9回裏に4点を奪い、10対9でサヨナラ勝利を収めた試合ですね。
「高校生活最後の大会でしたし、負けそうだった試合を土壇場で逆転して、なんとか勝つことができたので一番思い出に残っています」
ー強豪校として毎年注目されていましたし、坂倉選手自身も有望選手として、メディアに取り上げられることが多かったと思います。プレッシャーを感じることもあったのでは?
「そういった重圧を感じることはあまりなかったですね」
ー残念ながら高校3年間で甲子園出場は叶いませんでした。悔しさも大きかったのではないでしょうか。
「あくまで僕の考えですが、甲子園が全てじゃないと思っています。出場していないからそう言っていると思われるかもしれませんが、甲子園出場だけが3年間の全てではないと思いますね。もちろん出場したかったですし、当然悔しい思いもありますが、それ以上に大きなものを高校生活で得ることができました。日大三高で過ごした時間、そこで出会えた人たちのおかげで、今の自分があると思っています。僕にとっては、これまでの人生でとても大きな3年間でした。そうハッキリと断言できます」
ー坂倉選手が考える高校野球の魅力を教えてください。
「全国制覇に向けて、負けたら終わりの一発勝負の試合が続くだけに、チーム全員で一つになれるのが魅力ではないでしょうか。また、プロとは違う、高校野球ならではの〝熱さ〟もあります。それも醍醐味だと思いますね」
■坂倉将吾(さかくら・しょうご)
1998年5月29日生、千葉県出身、177cm/91kg
右投左打/捕手
日大三高-広島(2016年ドラフト4位)