高卒2年目投手の一軍デビューが目立つ近年のカープにおいて、また一人、注目左腕がプロ初登板初先発を果たすことになりそうだ。2019年ドラフト6位の玉村昇悟。高校時代には福井県大会で、大会記録を更新する52奪三振を奪った本格派だ。

今季は二軍で3試合に先発し、投球回17で17三振を奪っている玉村昇悟投手。

 1年目の昨季は強化指定選手として三軍でみっちりと体づくりに取り組んだ。アドゥワ誠や山口翔、遠藤淳志など一軍で好投した先輩投手たちと同じ道を歩み、2年目以降の飛躍を目指していた。

 長らく実戦から遠ざかることで「調整の難しさを感じた」という玉村だが、昨年のウエスタン・リーグ最終戦(11月1日、由宇/中日戦)で待望の実戦登板を経験した。結果は先頭打者の根尾昂から6連続で安打を許し、1死も奪えずに降板。自責点3とホロ苦いデビュー戦になったが、その後のフェニックス・リーグで名誉回復には十分の投球内容を残している。

 今季もウエスタン・リーグで3試合に先発し、2勝0敗、防御率2.12と好調をキープ。自らの手で一軍昇格の足がかりをつくってみせた。

 プロ初先発が予想されるのは、当初は遠藤淳志を当て込む予定となっていた4月29日のDeNA戦。体力強化により頼もしさを増した“越前のドクターK”が、一軍のマウンドでも打者を幻惑する投球を披露する。

▼玉村昇悟(たまむらしょうご)
投手/丹生高/2019年ドラフト6位/2001年4月16日生、福井県出身/左投左打/177㎝、77kg