◆つなぐ意識も大事だが、豪快さも必要

 鈴木誠也、西川龍馬の3、4番コンビも本調子ではないですが、それぞれ一発が出ています。何度も言ってきましたが、主軸に座る以上は怖さがないといけません。つなぐことばかりを考えて自分の打撃ができなくなってしまうと、相手投手は楽に投げることができてしまいます。

 カープの攻撃はセ・リーグの中で最もパ・リーグに近いと思っています。こじんまりした打撃ではパ・リーグには太刀打ちできません。つなぐ意識は大事ですが、豪快さを失わないように、そこは常に意識してほしいと思います。

 あとは四球を生かすことも大事になってきます。前カード(4月23日〜25日)の巨人戦で鈴木が四球で出塁した後に、西川がきっちり本塁打や適時打を放っていました。やはり投手の心理的には、連続四球というのは印象が悪くなりますし、絶対に歩かせたくないという気持ちになるものです。

 そうなると、どうしてもカウントを取りに行ってしまい自然と甘い球が増える、という結果につながります。その球を、いかに逃さずに打てるかどうか。つなぎの野球というのは単にヒットを打つだけではなく、そういった四球も含まれます。ファールで粘って出塁して得点につなげる。一見地味ですけど、この積み重ねが大きくモノを言うんです。

 固定メンバーで戦うというのが一番の理想ですが、今は我慢の時でしょう。そんななか、抜擢された選手が結果を残してチームに貢献するというのは、長いシーズンを戦う上では、ましてや上位争いをする上では必要なことです。

 その上でフレッシュな選手たちが活躍して勝利すると、チーム全体にも活気も出てきます。DeNAに勝利(4月27日)し、カープは再び貯金生活となりました。交流戦も控えていますし、この調子で一つでも多く貯金を増やしてもらいたいですね。