◆大切なのは打席での考え方。つなぎにとらわれない打撃を

 リーグ3連覇を果たした2016年から、カープ打線といえば『つなぐ』がキーワードになっていますが、今の打線は、つなぐ意識を持ち過ぎているため、当てるだけの打撃が目立ち、爆発力に欠けているように感じます。

 もちろん、試合展開によっては右打ちやバントも必要です。ただ、連敗中の各打者のスイングを見ると、気持ち良くバットを振れていないようにも見えました。もともと力がある選手が多いだけに、打席での意識を変えることで長打が増え、少しずつ得点力不足も解消されるような気がしています。

 開幕から好調をキープしている菊池涼介が良い例で、彼は当てるようなスイングはしていません。サインが出ていない場面ではしっかりとスイングしています。三振をしたくないあまり、当てにいって凡打になるのであれば、三振してもいいから思い切って振ることも大事だと個人的には思います。

 交流戦が始まっていますが、パ・リーグの野手は、三振を恐れず強いスイングをしてきます。今のカープ打線の状態ではパ・リーグ投手陣に苦戦が予想されるだけに、まずは、選手が気持ち良くバットを振れる環境づくりをしてあげるのも首脳陣の役目だと思います。

 昨シーズン5位に終わったので、同じことをやっていても上位進出はありません。ありとあらゆる戦術を駆使し、打席での意識を変えることで、打開策が見出せてくるのではないかと思います。悪い流れをずるずる引きずらないためにも、早いうちに手を打ち、立て直してもらいたいですね。